【ネタバレ感想】『マイブラザー、マイシスター』家族の在り方について魅せられる

今回は、兄弟の絆を描いたイタリア映画『マイブラザー、マイシスター』(21年)について書きたいと思います。

ワインが飲みたくなります。

 

マイブラザー、マイシスター

兄弟

『マイブラザー、マイシスター』(原題:Mio fratello mia sorella)は、2021年10月8日からNetflixで配信開始されたオリジナル映画です。上映時間は1時間50分。

監督は、Roberto Capucci。出演は、カテリーナ・ムリーノ、アレッサンドロ・プレツィオージなど。

主人公のテスラは、母親のことを呼び捨てにする娘のカロリーナと、統合失調症を患う息子のセバスティアーノと、父親のジュリオが所有する家で暮らしています。夫とは8年前に別れ、家族と共に捨てられました。

カロリーナは母親のテスラのことを呼び捨てし、母親だと思っていません。セバスティアーノは幻覚と対話し、火星生まれのケルビンに火星にクラシック音楽を伝えるよう命じられたと思い込み、火星に夢中です。食事はいつもひとりでとり、カーテンを閉めて自室に引きこもっています。

テスラの父親であるジュリオが亡くなり、葬儀が開かれます。ジュリオは天体物理学の教授でした。参列者は悲しみに暮れていると、ジーパンにシャツ姿のラフな格好をした男が現れます。その男はテスラの兄であるニックでした。テスラとは20年ぶりの再会です。

ジュリオが残した手紙には、遺産相続について書かれており、キャンピンカーをカロリーナ、チェロをセバスティアーノし、自宅をテスラに渡し、共同所有者にニックを指名します。物件は両者の意向に沿い平等に処分できるとし、法的な義務はありませんが、1年間一緒に住むのが条件となります。

 

型破りな男

ニックと同じ家に住む事になり、テスラは頭を抱えます。テスラはセバスティアーノの面倒を見るだけで精一杯です。カロリーナは家を出て、遺産相続でもらったキャンピングカーを使って、服を売る仕事に就きます。セバスティアーノはニックに興味を示し、仲良くなっていきます。

ニックは型破りな男で、カイトサーフィンを得意とし、50歳ながらもプレイボーイです。ビーチでナンパした女性を自宅に連れ込み、夜中にバスケを始めるなど、家族のルールを守らないため、毎日のようにテスラと喧嘩をします。

カロリーナが家を出ていくなど、家族はバラバラになってしまいますが、セバスティアーノは少し違います。テスラはニックが家に住む事により、セバスティアーノの統合失調症が悪化しないか心配しますが、セバスティアーノはニックと関わるうちに、外出しようとするなど、不思議と病気が回復してきます。

本作は、テスラとニックの兄弟の関係性だけでなく、カロリーナとセバスティアーノの兄弟の関係性も描かれています。家族の在り方を美しいイタリアの風景共にご堪能できます。

 

ネタバレ感想

ネタバレ注意
ここから先は物語の結末にも触れているのでネタバレ注意です。

セバスティアーノはいつもひとりで食事をとっていましたが、みんなで食事をとるようになります。そのことを知ったカロリーナが微笑む場面は、兄弟愛が描かれていて好きな場面です。

テスラとニックは顔を合わせるたびに口喧嘩をしますが、夜中にニックがバスケをしていると、テスラは迷惑だと注意します。その後にいつも通り口喧嘩になるかと思いきや、一緒にバスケを楽しみます。良くも悪くも兄弟だと分かる良い場面でした。

夜中、テスラはニックが弾くピアノの音で目を覚まします。うるさいと注意しようとしますが、ニックのピアノとセバスティアーノのチェロの音色が聞こえてきます。セバスティアーノはチェロを弾くのを拒んでいましたが、ニックと一緒に音色を響かせています。

カロリーナは大学を辞めることをテスラに伝え、理解してもらいます。今までテスラと呼び捨てでしたが、ママと呼びます。受け入れてくれたことに喜びます。テスラの恋人探しの後押しをして、テスラはネットで知り合った男性と出会います。母親の幸せを願って恋人探しの後押しをするのは、親子愛を感じられる場面でした。

ニックはセバスティアーノを連れて海へ行きます。日が暮れて夜になり、セバスティアーノはニックとエマが仲良く話しているところ目撃します。セバスティアーノは「エマは僕のものなのに」とニックに腹をたて、叫びながら暴れてパニック発作を起こします。

ニックは元恋人のジャーダとよりを戻そうとしますが、ヨットサーフィンをして世界中をフラフラしているニックとよりを戻すことが出来ません。ジャーダの方からよりを戻そうとしていましたが、また同じ運命を辿ることになると思い、踏み込むことが出来ませんでした。ニックは家を出て行く事にします。

セバスティアーノのチェロの発表会にテスラとカロリーナが参加します。ジュリオの葬儀の時に演奏する予定でしたが、直前で自信を無くし、演奏することが出来ませんでした。セバスティアーノは舞台の上に上がろうとしますが、緊張のあまりパニックになり、会場の外に飛び出してしまい、走行中の車とぶつかって救急搬送されます。

病院で待っていると、カロリーナのスマホに父親から電話が掛かって来ます。カロリーナは父親にメッセージを送っていましたが、返信はありませんでした。寂しかったりすると父親に連絡していましたが、母親を受け入れ自立したカロリーナに、自分たちを捨てた父親は要りません。カロリーナは着信を拒否します。

病院にニックも駆けつけ、セバスティアーノの回復を待ちます。テスラは父親がニック宛に書いた手紙について話します。父親はジャーダと肉体関係を結んでおり、そのことをニックは知りながらも隠し、20年以上も姿を消していました。ニックは父親に絶望し、家族から離れたのでしょう。

テスラ、ニック、カロリーナ、エマは、ジュリオの遺灰を海に撒きます。この時にセバスティアーノの姿が確認できなかったので、セバスティアーノが亡くなったと思いヒヤヒヤしました。最後に、セバスティアーノが遺灰を撒き、海で水を掛け合い、物語は幕を閉じます。

兄弟だけでなく、親子の関係性も描かれ、家族の在り方について考えさせられる映画でした。テスラとニックの関係性よりも、僕と年齢が近いカロリーナとセバスティアーノの関係性に深く共感しました。愛を感じる映画でした。

 

まとめ

家族愛を感じる映画でした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

参考文献

マイ・ブラザー、マイ・シスター (2021) – IMDb

https://www.imdb.com/title/tt13003996/?ref_=ttrel_rel_tt

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