【ネタバレ感想】『憎しみの果てに』主人公が犯した罪とは!?

今回は、トルコ映画『憎しみの果てに』(21年)について書きたいと思います。

トルコ映画は最後まで楽しませてくれます。

 

憎しみの果てに

犯した罪

『憎しみの最果てに』(原題:Kin)は、2021年10月8日からNetflixで配信開始されたオリジナル映画です。上映時間は1時間46分。

監督は、Turkan Derya。出演は、イルマズ・アルドアン、アフメット・ムムターズ・タイラン、ジェム・イーツ・ウズモールなど。

原題の「Kin」はトルコ語で「憎しみ」という意味です。

舞台はトルコの都市イスタンブール。イスタンブールでは毎年300件以上の殺人事件が発生し、毎日1人以上の人が殺されています。主人公のハルン・チェリクタン警部は、数多の殺人事件を解決し、最優秀警察鑑賞を受賞します。上司からは昇進は確実と約束されます。

ハルンは部下からの信頼も厚く、受賞した記念に宴会が開かれ、部下からネクタイのピンを貰います。帰りのタクシーでは、妻と息子に電話をして、幸せそうにうたた寝します。すると、運転手は時速を上げて猛スピードで走り出し、行き先とは別の方向へ向かっています。

それに気付いたハルンは、運転手を止めようとします。タクシーは森の奥で停車し、運転手は「自分の罪を償って死ね」と持っていたナイフを取り出し、ハルンに襲い掛かります。ハルンは必死に抵抗し、運転手が持っていたナイフを奪い、心臓を突き刺します。

警察に連絡しようとすると、ジェバド本部長から電話が掛かってきます。「偉い人に話をつけた。近々良いニュースがある」と昇進を確約したも同然の内容でした。ハルンは問題を起こさないようにするため、警察への通報をやめて、タクシーやナイフに付着した指紋を拭き取り、その場を立ち去ります。

 

吊るされた遺体

翌日、警察署の前でクレーンに吊るされた遺体が発見されます。その遺体は、昨夜に襲いかかってきたタクシーの運転手でした。現場には、ナイフやタクシーが残されています。

部下のトゥンジャイは、車内に残されているネクタイのピンを見つけます。トゥンジャイは証拠品として提出せず、上着のポケットに隠し持ちます。トゥンジャイはハルンのことを警察の師として敬っています。

殺害されたタクシーの運転手は、35歳のジェイフン・アリク。犯罪歴があり、昨夜の監視カメラの映像を調べると、タクシーに乗客を乗せて走っている様子が映っています。慌てたハルンは、監視カメラの映像が記録されているUSBを盗み取り、自分が犯人だと知られないようにします。

 

ネタバレ感想

ネタバレ注意
ここから先は物語の結末にも触れているのでネタバレ注意です。

警察は、ある男がタクシーの荷台に遺体を詰め込んでいる映像を見つけます。男の自宅に急行すると、男は廃墟の屋上へ逃げ込みます。ハルンは男を追い詰めると、男は「ある男に頼まれて、タクシーを工場現場に運べと依頼された」と話します。

男は近くにあった鈍器を手に取り、ハルンに襲いかかります。ハルンは銃を撃ち、男の足に命中します。男は怯んだ勢いで、屋上から落下し、亡くなってしまいます。

捜査中に犯人らしき人物が亡くなり、ジェバドはハルンを責めますが、部下は致し方ないことだったと説明します。ハルンが男を追い詰めている様子を目撃した人はいませんでしたが、ハルンを守るため虚意の報告をします。ハルンが部下に信頼されていることが分かります。

亡くなったタクシーの運転手と屋上から落下した男を調べると、通話履歴に芸能事務所のニル・エージェンシーとやり取りを行なった形跡を見つけます。亡くなった2人は、モルヒネが原料のメトポンという麻薬を使っていました。メトポンを使うと死の危険性があるため、限られた人しか使っていません。

警察は、転落した男が犯人であると疑いますが、鑑識の結果から、転落した男は犯人ではないことが分かります。

ハルンは、麻薬の情報屋らしき男に話を聞きますが、男は足を洗ったので知らないと言います。ハルンは暴力を振るって無理矢理情報を聞き出そうとし、男は麻薬を所持して逮捕された女優のギュル・ジャンクルがメトポンを買っていたと話します。ギュルが所属していた芸能事務所に話を聞きますが、現在はどこにいるのか分からないと言われます。

屋上から転落した男の自宅を訪ね、机の上に置いてあるUSBを見つけます。

トゥンジャイは監視カメラの映像を調べると、犯行に使われたタクシーに乗車するハルンの姿を目撃します。トゥンジャイはハルンの自宅を訪ね、証拠品のネクタイのピンと監視カメラの映像が記録されたUSBを渡し、自白してほしいと話します。

翌日、ハルンは自白することを決意し、警察署内に入ろうとすると、電話が掛かってきます。電話の相手は芸能事務所の人で「ギュルはクラブを経営していて、あなたと話したがっている」と伝えます。ハルンは、屋上から転落した男の自宅で入手したUSBにクラブ名が記載されていたのを思い出し、クラブへ向かいます。

ギュルが経営するクラブの部屋を調べると、地図に日付と町名に印が付けられているのを見つけます。調べてみると、警察官が(ババオル、ギュレリオル、オイルム)被害者になった事件のことでした。ハルンは自分が担当していた事件を思い出します。

店で飲食している7人が毒殺され、その時の従業員が毒を盛ったとして逮捕されました。ハルンは、従業員が犯人はどうか怪しいと疑いますが、ジェバドは疑わずに犯人逮捕を急ぎます。

逮捕された従業員は、殺人の罪で刑務所内に入れられ、刑務所内で亡くなりました。ハルンは事件のことを思い出し、ハルンを襲って亡くなった2人の男は、警察に尋問されて嘘の目撃情報を言った男たちでした。

警察署にギュルが現れ、今回の事件の犯人だと自白します。ギュルは取り調べに応じますが、ハルンとしか話さないと言います。ギュルの指示で取調室のマイクを切り、2人だけの会話をします。ハルンは従業員を逮捕したときに、従業員の娘が泣いていたことを思い出します。その娘はギュルでした。

ギュルは、父親は犯人ではないと言い、ハルンにジェバドを殺さなければタクシー運転手を殺した映像を拡散させると脅迫します。警察は、ギュルを帰します・

トゥンジャイは車で帰るギュルを追いますが、途中で見失ってしまいます。見失った場所に近くには、ジェバドが通うプールがあります。そのことに気づいたハルンは、急いでプールに向かいます。ジェバドはプールで泳いだ後、車に乗車すると、車は爆発してしまいます。ギュルの仕業です。

警察署内にメッセージが届きます。そのメッセージには、ハルンがタクシー運転手を殺害した時の映像が添付されています。警部補は、毒殺事件のことに気付き調べると、父親の死後に息子のエムレは養子となり名前を変えていたことが分かります。名前はトゥンジャイでした。

警部補はトゥンジャイのいる場所に行きます。トゥンジャイは警部補の持っている銃を奪い、警部補を撃って殺します。ハルンはクラブでメトポンを使い亡くなっているギュルを見つけます。電話が掛かってくると、息子からで、トゥンジャイと公園にいると言います。

ハルンは公園へ行き、トゥンジャイに銃を向けると、警察に囲まれます。トゥンジャイは、毒殺事件の犯人は自分だと自白します。父親は客にイジメのような嫌がらせを受け、それに苛立ち毒を盛りました。話をしていると、警察に保護された息子が現れます。毒殺事件と同じように、ハルンは息子の前で逮捕されそうになります。

トゥンジャイはハルンに撃てと言いますが、ハルンは銃を下ろします。すると、トゥンジャイは持っていたい自身の銃でこめかみ撃ち、自殺します。ハルンは警察に連行されます。

最後の場面は、警察官学校を卒業したトゥンジャイとハルンが話している回想場面です。復讐のために警察官になり、今回の犯行に及んだと分かります。長い、長い戦いです。

 

まとめ

意外な展開があり、最後まで楽しめました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

参考文献

憎しみの最果てに (2021) – IMDb

https://www.imdb.com/title/tt13717980/

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