【ネタバレ感想】『アンチ・ライフ』ブルース・ウィリスが出演してC級からB級に昇級したSF映画

ブルース・ウィリスが出演することによって、C級からB級に昇級したSF映画『アンチ・ライフ』の感想を書きたいと思います。

ネガティブな感想を書いているので、好きな人は見ないでください…。

 

アンチ・ライフ

B級SF映画

2021年に公開された『アンチ・ライフ』は、ブルース・ウィリスが出演するB級SF映画です。

未知のウィルスの蔓延によって地球に住めなくなり、選ばれた富裕層5000万人だけが「新しい地球」と呼ばれる惑星を目指す物語です。

主人公ノアは妊娠中の恋人ヘイリーと共に宇宙船に乗り込みます。宇宙船は兵士と元軍人によって管理されていますが、船内には謎の生命体エイリアンが紛れていました。早い話、軍人VSエイリアンの物語です。

監督を努めたのは『PANDEMIC パンデミック』(16年)のジョン・スーツです。『ダイ・ハード』のジョンマクレーン(ブルース・ウィリス)が登場する「ダイ・ハード」というブランドのカーバッテリーのCMも監督しています。その繋がりでブルース・ウィリスが出演したのかな。

主人公ノアを演じるのは、『パワーレンジャー』(17年)などに出演しているコーディー・カーズリーです。富裕層でも選ばれし者でもないノアは、船員になりすまして宇宙船に乗り込みます(後に一悶着あります)。人類の希望である宇宙船は「方舟」と呼ばれ、主人公の名前は「ノア」で「ノアの方舟」を連想するというあまりにも安易な名前です。

恋人ヘイリーを演じるのは、『Becoming Bond』(17年)などに出演しているカサンドラ・クレメンティです。ヘイリーは宇宙船のお偉いさんである提督アダムスの娘です。

宇宙船に乗っている元軍人クレイを演じるのは、『ダイ・ハード』(88年)や『アルマゲドン』(98年)に出演しているブルース・ウィリスです。ジョン・マクレーン並のアクション要素を期待しましたが、本作では酒を飲んで落ち着いていました。

 

配信状況

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エイリアンというよりゾンビ?

ネタバレ注意

ここから先は物語の結末にも触れているのでネタバレ注意です。

エイリアンが現れたのは、過激なエコテロリズムな考えをもっているティークの仕業だと判明します。ティークを演じるのは、『Thunderstruck』(04年)などに出演しているカラン・マルヴェイです。『エイリアン: コヴェナント』(17年)のデヴィッド(マイケル・ファスベンダー)に雰囲気が似ています。

エイリアンは乗組員の体を乗っ取るので、ジョン・カーペンター監督の『遊星からの物体X』(82年)を思い出しました。南極大陸に未確認飛行物体が墜落し、調査員たちにエイリアンが迫り来る物語です。エイリアンは人間や犬など他の生体に姿を変えることができ、誰がエイリアンなのか疑心暗鬼になるSFサスペンスです。

しかし、本作のエイリアンは隠れることはせず大胆に人を襲い、船内はあっという間にエイリアンだらけになります。最後にエイリアンが登場するくらいで、あとは人間の体でゾンビのように襲いかかるので、エイリアン映画というよりはゾンビ映画です。SFゾンビ映画という新しいジャンルですね(すでにありそう)。

 

迫力がない

まず違和感があったのは、宇宙船や船内のグラフィックです。低予算にしても流石に目をつぶれません。宇宙船には30万人の生存者が乗っていると話していましたが、船内の大きさ、広さを感じられる要素がありませんでした。画面が常に同じようなビジュアルで退屈にも感じました。

エイリアンとの戦闘シーンは、火炎放射器で燃やすだけなのでアクション要素が壊滅的でした。ガンアクションもありましたが、うーん。ブルース・ウィルスが観客を喜ばせてくれるために何かしてくれると信じていましたが、密造酒を作って飲んでいるだけでした。ノアがアダムス提督がいる所に行くため通気口を通る場面は、ブルース・ウィルスが『ダイ・ハード』のセルフオマージュをやってほしかったです。

どんな映画でも必ず盛り上がるクライマックス。本作では巨大エイリアンと戦うのですが、火炎放射器を振り回し迫力もないまま終わります。最後に登場する巨大エイリアンは気持ち悪くてよかったのですが…。本作はあまりにも見せ場が少ないです。アダムス提督も含めみんな無駄死にです。

 

最後の最後まで主人公を好きになれなかった

ノアとヘイリーは脱出して、エイリアンがいる宇宙船はクレイが軌道を変えて自爆します。新しい地球に着いたノアとヘイリーですが、目の前には巨大なエイリアンの姿が。最後、ノアが「すべて燃やせ」と言葉を放ち幕を閉じます。

普通の映画だったら感動を呼びそうなクレイの最期ですが、「まだ生きていたの?」と心の中でつぶやきました。「すべて燃やせ」で済む話じゃないですと。

最後の最後まで主人公ノアを好きになれませんでした。提督を父親にもつヘイリーはいいところのお嬢さんで、反対にノアは選ばれしものではなくダメな男なので、エイリアンと戦うことによって成長していく物語が見たかったです。後半は黙々と火炎放射器を振り回しているだけだったので、背景や葛藤が見たかったです。

本作の唯一の良い点は、上映時間が92分と短いところです。

 

まとめ

久しぶりに映画館でB級映画を見ました。内容は好きになれませんでしたが、まだこういう映画が作られていると知り安心しました。

2 件のコメント

  • あまりに酷くてビックリしました。
    30年前のターミネーター2を思うと、全く足下にも及んでなく笑いさえ覚えます。

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