毎年、クリスマスが近づいて来るとパートナーがいないと寂しくなります。今は「クリぼっち」という言葉があるくらいなので同じような人は結構いそうですが、それでも寂しくなります。
そんな時にオススメしたい映画は、「リア充なんか爆発してしまえ」の原点でもある『ダイ・ハード』です。『ダイ・ハード』を見てジョン・マクレーンと過ごせばクリスマスなんて寂しくないです。
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ダイ・ハード
『ダイ・ハード』は、1988年(日本では1989年)に公開されたアメリカ映画です。聖なる夜、ニューヨーク市警察のジョン・マクレーン刑事がひとりでテロリストに立ち向かう物語です。シリーズは5作品まで作られ、主人公のジョン・マクレーン刑事を演じるブルース・ウィルスは、シリーズを重ねるごとに多くの人を殺し髪の毛が少なくなっていきます。
あらすじ
ジョン・マクレーンは、別居中の妻であるホリー(ボニー・ベデリア)に会うためロサンゼルスに向かい、ホリーの勤める会社・ナカトミ商事のクリスマスパーティに参加します。マクレーンとホリーは久しぶりの再会に喜ぶかと思いきや、結婚観の違いなどで喧嘩してしまいます。「何をやっているんだ俺…」とマクレーンは落ち込んでいると突如、銃声が聞こえ武装したテロリストが襲ってきます。マクレーンは急いで隠れますが、ホリー含めパーティの出席者を人質にとられてしまいます。
テロリスト
武装したテロリストは戦闘に特化しただけでなく、ハッキングや暗号解除など頭脳明細なエリート集団です。テロリストのリーダーであるハンス(アラン・リックマン)は、高貴なスーツを着こなし、友達になれそうにない「ザ・エリート」です。ハンスを演じるアラン・リックマンは、『ハリー・ポッター』シリーズでスネイプ先生を演じています。なんと『ダイ・ハード』が長編映画デビュー作だそうです。ラストのあの表情は忘れられません。ハンスには兄のサイモンがいて、『ダイ・ハード3』に登場します。
『ダイ・ハード』に出てくるテロリストはちょっと抜けている部分があります。例えば、爆弾を運ぶのにモタモタしたり、戦闘配置につく時に目の前にあるお菓子をこっそり食べたりと、どこかチャーミングな部分があります。
テロリストの目的は、人質をとって身代金やらを交渉するのではなく、6億4千万ドルの無記名債券を盗むことです。頑丈なセキュリティーで守られ解除に時間がかかるため、警察やFBIには嘘の交渉を持ちかけ時間稼ぎをします。その交渉をする警察やFBIがとにかく無能です。
クリぼっち
マクレーンは通信機を使い何とか外部と連絡し助けを呼びますが、助けに来た警察やFBIは役に立たず、とにかく無能です。マクレーンがビルの中には人質がいると教えても警察は聞く耳を持たず、「目には目を歯には歯を」と正面を切って突入しテロリストの迎撃に合います。役に立たない警察の代わりにFBIがやってくるのですが、テロリストの罠にまんまとハマり、マクレーンをテロリストと勘違いし銃撃を行います。ヘリコプターでビルに向かうときに「ベトナム戦争を思い出すぜ」と意気込む場面は何か笑えます。
テレビ取材班はホリーの自宅を無理やり取材し、テロリストにマクレーンとホリーの繋がりをバラしてしまいます。そのおかげでホリーは危険な目に合います。見ていてむかつきますが、最後に鉄拳制裁を食らうのでスッキリします。
警察もFBIも役に立たずひとりで戦い続けるクリぼっちのマクレーンですが、ひとりだけ味方がいます。警察官のパウエルです。
マクレーンが警察に通報し最初に様子を見に来たのが警察官のパウエルです。パウエルは、パトロール中に子供を誤射してしまいそのトラウマで銃の引き金を引くことができず普段は庶務の担当をしています。パウエルはビルの異変を察知(異変どころではない)して応援を呼び、マクレーンと互いに情報を交換し遠くにいながらも一緒に戦い相棒になっていきます。この二人のやりとりが泣かせてくれます。パウエルのトラウマも克服します。この場面は「ワンダー・ウーマン」(2017年)の撃てない狙撃手でもやってほしかったです。
無謀な男の代名詞
僕が中学生の頃、無謀なことに挑戦する時は「ジョン・マクレーンでも出来ないよ」とよく言っていました。マクレーンは最強の男であり、無謀なことに挑戦する代名詞でした。今だったら『ワイルド・スピード』シリーズのドウェイン・ジョンソンや『ジョン・ウィック』シリーズのキアヌ・リーブスかな。もし、マクレーンがキアヌ・リーブスだったらと妄想すると楽しいです。
ダイハードはクリスマス映画なのか
ポスター見る限り明らかにクリスマス映画ではないと一目瞭然で分かりますが、舞台がクリスマスでクリスマスソングが流れ、サンタやクリスマスツリーが登場するのでクリスマス映画要素が結構あります。
ブルース・ウィルスは、『ダイ・ハード』をクリスマス映画ではないと言っていますが、配給会社の20世紀FOXはクリスマス映画として宣伝しています(公開当時はクリスマス映画として宣伝していなかった)。
『ダイ・ハード』はクリスマス映画なのか、2018年にStephen Followさんが検証している記事を見つけました(https://stephenfollows.com/using-data-to-determine-if-die-hard-is-a-christmas-movie/)。
過去の映画のデータから『ダイ・ハード』はクリスマス映画なのか、創造的、商業的、文化的の観点から検証しています。
創造的な観点
創造的な観点では、脚本や視覚的な表現、音楽などを検証しています。
脚本を見ると「Christmas」の単語が18回も使われています。よく使われている単語では「gun」(73回)、「terrorist」(51回) です。それでも「kill」(13回)や「blood」(13回)よりは多く使われています。
視覚的な表現では、サンタクロースやクリスマスツリーなど視覚的にクリスマス要素があるか検証して21箇所もあります。これは過去のデータがないため多いのかどうか分かりませんが、画にはクリスマス要素が詰まっていると思います。過去30年間に公開された映画を調べると1,356,242時間かかるそうで流石に検証できなかったそうです笑。
音楽の面でいうと、95.5%のクリスマス映画ではクリスマスソングは使われていないそうです。これは意外でした。クリスマス映画といえばジングルベルで始まるのが多いと勝手に想像していました。『ダイ・ハード』はビング・クロスビーの「Winter Wonderland」やヴォーン・モンロの「Let it Snow! Let it Snow! Let it Snow!」など多くのクリスマスソングが使われています。
商業的な観点
商業的な観点では、劇場公開日やポスターに注目しています。
アメリカの公開日を見るとタイトルにクリスマス関連の単語が含まれる映画は、半分以上が11月に公開され、さらに30%が12月に公開されています。『ダイ・ハード』は7月に公開しているので、当時は真夏のクリスマスでした。日本は2月に公開しています。
ポスターを見てもクリスマス要素は感じません。公開当時は、クリスマス映画として宣伝していなかったのでしょう。
文化的な観点
文化的な観点では、ウィキペディアの閲覧数やGoogleトレンドを調べています。
12月に入りクリスマスが近づくとウィキペディアの閲覧数が増えGoogleトレンドが上昇しています。
何をもってクリスマス映画という定義はありませんが、これらの要素を踏まえると『ダイ・ハード』はクリスマス映画といって良いと思います。
まとめ
やはり何度見ても面白い映画です。ハラハラドキドキのアクション、小粋なジョーク、そして最後は感動させ、求めているエンターテイメントの全てが詰まっています。トゥインキーが食べたくなったのは、『ゾンビランド』(2010年)以来です。
多分、来年もクリスマスに見ます。いつか、見ない時が来ますように…。