映画『さんかく窓の外側は夜』霊が見える書店員と霊が祓える除霊師の異色ミステリー

こんにちは、つけものなすです。

今回は、霊が見える書店員と霊が祓える除霊師がバディを組み、連続殺人事件に迫る異色のミステリー映画『さんかく窓の外側は夜』を紹介したいと思います。

 

さんかく窓の外側は夜

原作はBL

2021年に公開された映画『さんかく窓の外側は夜』は、日本のミステリー映画です。2020年10月30日に公開予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2021年1月22日に公開延期となりました。

霊が見える書店員の三角は、幼い頃から霊を見ることができます。小学生の時に霊が見えることを同級生に伝えると、嘘つき呼ばわりされて仲間外れにされます。それ以来、誰にも言うことはありませんでした。

ある日、書店で働いている三角はある男に「僕といれば怖くなくなりますよ」と話しかけられます。その男は霊媒師の冷川で、三角に霊感があることを知っていました。冷川は店内にいる霊を三角の力を使って祓います。冷川は「今の時給の二倍出すから助手になってくれ」と三角にお願いします。三角は冷川と契約を交わし、不思議な体験を重ねていきます。

霊が見える三角を演じるのは、『劇場版おっさんずラブ~LOVE or DEAD~』(19年)などに出演している志尊淳です。『劇場版おっさんずラブ』の志尊淳はあまり好きになれませんでしたが、本作では冷川に巻き込まれる助手を好演しています。

霊媒師の冷川を演じるのは、『伊藤くんAtoE』(18年)などに出演している岡田将生です。謎めいた人物ですが、物語の後半では壮絶な過去が明かされます。背が高くてカッコいいので、何が何だか分からない三角がついて行ってしまうのも納得です。

冷川が三角の胸を触り力を得て霊を祓うのですが、力を使った三角は息遣いが荒くなり疲れ果てます。原作はヤマシタトモコ先生の漫画「さんかく窓の外側は夜」で、BL要素も含んでおり霊を祓う場面はエロティックに描かれています。ここは漫画と同じようにエクスタシーを感じるように作ってもよかったかなと思います。映画ではだいぶ控えめになっていますが、二人の距離は近いのでドキドキします。

登場人物の服装が暗く黒色で、徹底した画面作りだなと思いました。

 

オカルトを信じない男

殺人事件を捜査する刑事の半澤は、冷川と三角に捜査協力をもちかけます。半澤が捜査している事件は一年前に起きた未解決の殺人事件で、犯人は3人を殺害し、その後に死体をバラバラにしました。

犯人は捕まったのですが、犯人の記憶が曖昧で供述することができずバラバラにした一人分の遺体の部分が未だに見つかっていません。捕まえた犯人は拘束中に自殺してしまったため、事件は迷宮入りに。犯人には証拠もあり自供をしていましたが、半澤は本当に犯人なのかと疑っていました。手に負えない半澤は、オカルトの類を全く信じていませんが、冷川に協力をもちかけます。

刑事の半澤を演じるのは、『コンフィデンスマンJP プリンセス編』(20年)などに出演している滝藤賢一です。オカルトを信じない男が故に強さを発揮する場面があるのですが、どの登場人物よりもカッコよかったです。

 

メイキングは和む

冷川と三角は捜査を進めると、バラバラの死体がある場所を見つけます。死体に近付くと、「ヒウラエリカに騙された…」と勾留中に自殺した犯人の声を聞きます。

道に迷っている女子高生は歩いている女性に道を尋ねます。女子高生は道を聞くのと同時に呪いをかけます。呪いをかけられた女性は、近くの道路に飛び出し車に轢かれ死亡します。呪いをかけた女子高生が非浦英莉可でした。

物語の後半では、冷川と三角が事件の真相に近付くため非浦英莉可と接触し、冷川の過去やある宗教団体が関わってきます。

非浦英莉可を演じるのは、『響 HIBIKI』(18年)などに出演している平手友梨奈です。血が似合います。

呪いをかけられる女性を演じるのは、『約束のネバーランド』(20年)などに出演している北川景子です。まさかの通行人で出演していたので驚きました。平手友梨奈とは『響 HIBIKI』で共演しています。残酷なシーンですが、本作のメイキングを見ると和みます。

 

ずっと真夜中でいいのに。

主題歌を担当するのは、ずっと真夜中でいいのに。です。本作のために書き下ろした「暗く黒く」は、撮影現場で実際に演技を見てインスピレーションを受けたそうです。『約束のネバーランド』に引き続きの映画主題歌で、両作品に北川景子が出演しているのは面白いですね。PVには本作のタイトルにちなんで色々な三角が散りばめられています。

 

ネタバレ感想

ネタバレ注意
ここから先は物語の結末にも触れているのでネタバレ注意です。

妻が運転する車に乗っている半澤が、非浦英莉可を見つけて追いかけます。半澤は英莉可に接触し、呪いをかけられそうになりますが、半澤はオカルトの類を全く信じていないので効きませんでした。この時に「半澤つえー」とテンションが上がりました。代わりに妻が呪いにかけられてしまいますが…。

半澤の妻を演じるのは、『コンフィデンスマンJP ロマンス編』(19年)などに出演している桜井ユキです。まさか半澤に妻がいるとは思いませんでした。仕事が妻かと思っていました(笑)。

本作で一番強いのは、霊が祓える冷川でも呪いをかけられる非浦英莉可でもなく、刑事の半澤なのかもしれません。漫画『ONE PIECE』の279話で、神エネルの雷攻撃がゴム人間のルフィに一切効かない場面みたいで痛快でした。

三角が冷川の過去と対峙する場面も良かったです。三角は冷川と会って初めて自分の能力、個性を受け入れてもらいました。今度は三角が冷川を救う番です。

冷川は子供の時に自分の能力で多くの人を殺し、間接的にですが母親まで殺してしまいます。そんな壮絶な過去を救い出すのが三角です。三角と子供時代の冷川が話す場面は『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』(01年)で、子供時代に戻ったひろしをしんのすけが救い出す場面を思い出しました。しんのすけは過去の懐かしさに浸るひろしを臭い靴を嗅がせて今を思い出させます。良い場面でした。

結末は全ての呪いが解けてハッピーエンドで終わるかと思いましたが、非浦英莉可は何者かに取り憑かれている様子で幕を閉じたので、まさかの続編を匂わせる終わり方でした。

全体的に?な部分があり、続編が作れたらやるよくらいの感じに見えました。

 

まとめ

ちょっとホラー要素があるサスペンス映画でした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

参考文献

映画「さんかく窓の外側は夜」特集 ずっと真夜中でいいのに。|孤独を抱えた3人の出会いを彩る“願い”の歌 (2/2) – 音楽ナタリー 特集・インタビュー

https://natalie.mu/music/pp/sankakumado01/page/2

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