【ネタバレ感想】『みんな死んだ』死のカウントダウンが迫り来る

こんにちは、つけものなすです。

今回は、大晦日の夜にどんちゃん騒ぎする若者に、死のカウントダウンが迫り来る映画『みんな死んだ』を紹介したいと思います。タイトル通り、みんな死にます。

みんな死んだ

若者

『みんな死んだ』(20年)は、Netflixオリジナル・ポーランド映画です。監督はヤン・ベルツル。

大晦日の夜、主催者のマレクの自宅に続々と若者が集まります。

ダニエルとアンジェリカのカップルは、絵に描いたようなお似合いのカップルです。ダニエルはプロポーズをしようとしていますが、アンジェリカはダニエルに言えない秘密を抱えています。

スピリチュアルを信仰するアナスタシアと、ラッパーのジョルダンのカップルは倦怠期を迎えています。アナスタシアの行動が、とんでもない事態を招きます。

年の差カップルのパヴェウとグロリア。グロリアはパヴェウの母親に見えるくらい年齢が離れています。二人はパヴェウの祖母の葬式で知り合いました。正式には付き合っておらず、うやむやな関係になっています。

カメラマンのフィリップは、ドラッグ中毒で現在はリハビリ中です。アナスタシアと共にとんでもない事態を招きます。

フランス人のジャックはモルモン教徒で、婚外の性交渉や自慰行為を禁じられています。セクシーな美女に振り回され思わぬ展開になります。美女に囲まれながらローラ・ブラニガンの「Gloria」を歌う場面は笑えます。

その様子を妬むのがロバートとラファウのモテない二人。女性に積極的にアプローチしにいきますが、空回りしてしまいます。年上の女性に憧れ、グロリアに近づこうとしますが、ラファウにはある秘密があります。

他にも多くの若者が集まりどんちゃん騒ぎをしますが、ある出来事をきっかけに死のカウントダウンが始まります。

 

悲劇の始まり

アナスタシアは、テーブルの上に置いてあるフィリップのカメラにお酒をこぼしてしまいます。壊れていないか心配して確認すると、そこには自分の写っている写真がたくさんありました。

アナスタシアは好意をもっていると思いフィリップを部屋に誘います。部屋を物色していると、ある鍵を見つけて鍵がかかっているケースを開けると、そこには銃が入っていました。

盛り上がってきた二人は銃を片手にイチャイチャしますが、勢い余って銃を暴発してしまいます。これが悲劇の始まりです。

 

ネタバレ感想

ネタバレ注意
ここから先は物語の結末にも触れているのでネタバレ注意です。

 

映画ネタ

本作には多くの映画ネタがありました。

パヴェウの祖母が亡くなったことを知ったアナスタシアが、「辛いことの後にはいいことがある」と、『ライオン・キング』の「サークル・オブ・ライフ」みたいと例える場面があります。「サークル・オブ・ライフ」は、望みと愛と苦しみを超えて命はめぐっていくことを歌っています。

マレクが配達ピザを受け取る際に「アイル・ビー・バック」と言います。「アイル・ビー・バック」は、『ターミネーター』(84年)でアーノルド・シュワルツェネッガー演じるT-800が、警察官にサラ・コナーとは会えないと拒否され、「また来る(アイル・ビー・バック)」と言い放ち、外へ出て車で突っ込むシーンで使われます。マレクは帰らぬ人となってしまいますが。

パヴェウが年の差カップルの有名人の話をする場面があります。アシュトン・カッチャーとデミ・ムーアは16歳離れた歳の差カップルで注目を集め、2005年に結婚しました。しかし、2011年に破局が報じられ、2013年に離婚しました。マドンナとガイ・リッチーは10歳離れた歳の差カップルで、2000年に結婚するも2008年に離婚しました。ビヨンセとジェイ・Zは12歳離れた歳の差カップルで、2008年に結婚しました。色々ありましたが、まだ別れていないビヨンセとジェイ・Zだけ挙げれば良かったのに。

アンジェリカに性事情をバラされ、部屋の扉を斧で叩き壊すダニエルは、『シャイニング』(80年)の妻と息子が逃げ込んだ部屋の扉を斧で叩き壊すジャック・ニコルソンのようでした。

感電ロックンロールで響き渡る音楽は、モトリー・クルーの「Kickstart My Heart」です。この曲は『レゴ® ムービー2』(19年)や『コブラ会』のシーズン3に使われています。最後はくだらなすぎて笑いました(笑)。

 

理想郷

最後は死んだはずの若者たちが蘇り、ダニエルとアンジェリカの結婚式を挙げています。ブーケを受け取ったグロリアは、喧嘩したパヴェウと仲直り。その様子を写真で撮るグロリアの息子フィリップ。ラファウはマレクと熱いキスを交わし、ロバートと美女二人が祝福。

アナスタシアは、アルツハイマーの治療法を見つけたピザ配達人と銃を見つけた部屋に入り、ジョルダンは有名ラッパーに。登場人物の夢が叶っている理想郷のようでした。『ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日』(13年)の最後の天国にも少し似ていました。

 

まとめ

久々に下らない映画を見ました(笑)。この下らなさが、たまらなく愛おしいです。

見ていて腹立つようなパーリーピーポーではなく、それぞれ悩みを抱えた好青年だったので「頼むから死なないでくれー」と見ていました。たまには、こういう映画もいいですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

参考文献

Wszyscy moi przyjaciele nie zyja (2020) – IMDb

https://www.imdb.com/title/tt13723064/

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