こんにちは、つけものなすです。
今回は、二人の女性ヒーローが活躍するコメディ映画『サンダーフォース 正義のスーパーヒロインズ』(21年)について書きたいと思います。
ヒーローではなく、コメディ映画です。
サンダーフォース 正義のスーパーヒロインズ
ヒーロー?
『サンダーフォース 正義のスーパーヒロインズ』(原題:Thunder Force)は、2021年4月9日から配信開始されたNetflixオリジナル映画です。上映時間は1時間47分。
監督は、『スーパーインテリジェンス』(20年)などのベン・ファルコーン。出演はメリッサ・マッカーシー、オクタヴィア・スペンサー、ボビー・カナヴェイルなど。
1983年、宇宙から謎のエネルギーが地球に振ってきます。そのエネルギーを浴びた一部の人間は超能力を得ました。しかし、能力を得ることができたのは、街の平和を脅かす悪党(ミスクリアン)だけでした。
悪党だけが能力を得る最悪の事態に、二人のスーパーヒーローが立ち上がります。
絶交
舞台は現代のシカゴです。
ミスクリアンに両親を殺されたエミリーは、両親の仇を討つために、ミスクリアンに対抗できる能力の研究をしています。
学生の頃から成績優秀で、それを妬みに学校の男子同級生にいじめられていました。それをいつも助けてくれたのが、同級生の友人リディアです。h
リディアはエミリーが同級生の男子にいじめられていると、男子を所構わず殴り倒し、エミリーのことを助けます。
読書好きのエミリー、ロック好きのリディアと、一見合わなそうに見えますが、友情の証としてミサンガを結びます。しかし、ひょんなことから喧嘩してしまい、友情の証であるミサンガが切れてしまいます。
それから二人は会うことはなく、数十年の月日が経ちます。
エミリーを演じるのは、『ドリーム』(16年)でも天才役を演じたオクタヴィア・スペンサーです。メリッサ・マッカーシーとは20年以上の親友であることを、自身のインスタグラムで明かしています。
リディアを演じるのは、『ゴースト・バスターズ』(16年)などに出演し、監督のベン・ファルコーンの妻でもあるメリッサ・マッカーシーです。
同窓会
街中ではミスクリアンが暴れ回り、警察が対抗しますが、能力を使うミスクリアンには太刀打ちできません。
ミスクリアンの対抗手段を研究しているエミリーとは対照的に、リディアはトップリフターを使いこなし、コンテナを積み上げる仕事をしています。
仕事が終わったらその場で持参している缶ビールを飲み、コンフレークにもビールを入れるほど、酒に浸っています。
ある日、学生の頃の同窓会が開かれることになり、思い切ってエミリーを誘います。同窓会当日、エミリーが来なかったので、リディアはエミリーのいる研究所のビルに向かいます。そして、数十年ぶりの再会を果たします。
二人は久々の再会に照れ臭そうにしますが、酒に酔っているリディアは関係者以外立ち入り禁止の研究室に入ってしまい、誤って注射を打ってしまいます。
その注射はミスクリアンに対抗する能力を得ることができ、本来はエミリーが打つ予定でしたが、リディアが打ってしまい、もう一度作るには数年の歳月がかかります。
リディアは副作用の心配があるため研究所で保護することになり、超人になるためのトレーニング受けていきます。
エミリーは能力を得ることができる錠剤を飲み続け、透明になる力を得ます。着ている服も透明化することができるので、裸になる必要はありません。
二人は全てのトレーニングを終え、超人の力を得たリディア、透明人間のエミリー、ついにスーパーヒーローの誕生です。
ミスクリアン
エミリーとリディアは、酒店で暴れているミスクリアンを退治しに行きます。暴れているミスクリアンは、腕がカニのクラブという男で、なぜかリディアと恋に落ちます。
酒店を襲撃するクラブを演じるのは、『ザ・ギフト』(15年)などの出演しているジェイソン・ベイトマンです。
レーザービームで街を破壊するレーザーを演じるのは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(17年)でマンティスを演じるポム・クレメンティエフです。
その頃、シカゴ市長選に出馬している億万長者のザ・キングは、ミスクリアンに対して戦うことを表明し、支持率を伸ばしていきます。しかし、エミリーとリディアの活躍でミスクリアンが倒されていくと、支持率は下がっていきます。
ザ・キングを演じるのは、『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』(14年)などに出演しているボビー・カナヴェイルです。
物語後半では、ザ・キングとミスクリアンにある繋がりがあることが発覚していきます。
ネタバレ感想
今回は、感想とは別に元ネタが分からなかったので、できる範囲で調べてみました。
笑いを堪える
リディアに注射を打つときに、研究を手伝うアリーが笑いを堪えているように見えます。普通だったらカットしそうなところを、あえてそのまま使っているように見えました。
『ビバリーヒルズ・コップ』でも笑いを堪えている場面があります。主人公のアクセル(エディ・マーフィ)が言い訳をしているときに、隣にいるタガート(ジョン・アシュトン)は堪え切れず笑っています。
カットせずに使うことによって、アットホームな雰囲気が伝わってきます。
GALACTICA/ギャラクティカ
リディアは研究所の部屋に案内されると、その部屋について「バトルスター・ギャラクティカの監禁部屋みたい」と言います。
『GALACTICA/ギャラクティカ』(原題:Battlestar Galactica)は、1978年にアメリカで放送されたSFテレビドラマです。その後、2003年にリブート版が放送されました。
スティーブ・アーケル
リディアはエミリーの娘を見て、「アーケル?」と言います。アーケルはアメリカで放送されたシットコム『Family Matters』(89年)に登場するスティーブ・アーケルのことです。『フルハウス』にゲスト出演もしています。
ジョディ・フォスター
リディアは研究を手伝うアリーのことをジョディ・フォスターと言い、続けて「ネルの時ではない」と言います。これはジョディ・フォスター主演のアメリカ映画『ネル』(94年)のことです。
社会とは切り離された山の中で過ごしてきた主人公のネルは言葉を話すことができず、自分で作った言葉を話していました。
フォートナイト
リディアとエミリーの娘がプレイしているゲームはフォートナイトです。島に上陸し、最後まで生き残りをかけて戦うゲームです。ちなみに僕はApex派です。
生の鶏肉
超人的な体になったリディアは味覚も変化し、生の鶏肉を貪るように食べます。実際は薄く切った洋梨で、鶏肉に似せるよう着色をしたそうです。生の鶏肉を貪る場面は、一番の衝撃でした。
オールドスタイル
コスチュームを着た後、エミリーが壁に飾ってある「Old Style Beer」に気付きます。オールドスタイルはシカゴで有名なビールの銘柄です。リディアが仕事終わりに飲んでいる缶ビールもオールドスタイルです。
BINGO Dog Song
リディアが決め台詞を考えているときに、「ビンゴ」と提案します。エミリーは「犬のビンゴを思い出すから嫌だ」と言います。これは子供向けの遊び歌「BINGO Dog Song」のことです。
スーパーボウルシャッフル
リディアが「1985年にシカゴ・ベアーズが優勝して史上最高の曲を発表」と話す場面があります。「スーパーボウルシャッフル」は、1985年にシカゴ・ベアーズの選手が発表した曲です。シングルは50万部以上を売り上げました。
感想
メリッサ・マッカーシーのやり取りが好きだから悪く言いたくないのが本音です。正直、面白くなかったです。
まず、分からないネタが多かったです。特に、リディアが研究所の部屋の案内をされるときに、スティーブ・アーケルや『ネル』を知らなかったので、長尺な場面を無表情で見ていました。
あと、一つの場面が長く感じて、なかなか物語が進まない印象でした。登場人物がふざけているのを楽しむ映画だとは思うのですが、コメディではなく、ヒーロー映画として見てしまったので、物足りなさが否めません。
それでも様々なネタを知ることができたので、ある意味、勉強になりました。
まとめ
ヒーローではなく、コメディ映画でした。
ネタを知っていれば、もう少し楽しめたかもしれません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
参考文献
#55 アメリカ/ オールドスタイル (G. Heileman Brewing Company)
The Super Bowl Shuffle – Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/The_Super_Bowl_Shuffle
Thunder Force (2021) – Trivia – IMDb
https://www.imdb.com/title/tt10121392/trivia?ref_=tt_trv_trv