【ネタバレ感想】『ブルー・ミラクル』子供は過去を振り返らない

こんにちは、つけものなすです。

今回は、実話に基づいた物語『ブルー・ミラクル』(21年)について書きたいと思います。

釣り大会に出場して一攫千金を狙います。

ブルー・ミラクル

パパ

『ブルー・ミラクル』(原題:Blue Miracle)は、2021年5月27日から配信開始されたNetflixオリジナル映画です。上映時間は1時間36分。監督は、フリオ・キンタナ。出演は、ジミー・ゴンザレス、デニス・クエイド、ブルース・マッギルなど。

舞台は2014年、メキシコのカボ・サン・ルーカス。

カサ・オガールという名前の孤児院を経営するオマールは、妻と共に親のいない子供たちの世話をしています。子供たちからはパパの愛称で呼ばれ慕われています。

オマールは、母親の記憶は存在せず、父親は一緒に釣りに行っている時に船が転覆し、頭を強打して亡くなっています。オマール自身も孤児だった経験があります。

オマールを演じるのは、ジミー・ゴンザレスです。子供たちのことを第一に考えている良きパパです。

 

ビスビーズ

オマールは知り合いの警察官から、漁師から時計を盗んだ孤児のモコの面倒を見てほしいと頼まれます。

盗んだ時計の持ち主である漁師のウェイドは、世界最高峰の釣り大会であるビスビーズ・トーナメントで二度優勝したことのある実力者です。しかし、今は財政難となり、優勝も過去の栄光となっています。

ビスビーズは、メキシコ・ロスカボスで開催される世界最大の釣り大会です。一番大きいカジキを釣った人が優勝です。優勝賞金は数百万ドルに上ります。参加費は自腹で、巨額の費用がかかります。

ウェイドを演じるのは、デニス・クエイドです。

 

借金

ここ数十年で最大規模のハリケーンが上陸するニュースが流れます。オマールと子供たちは、ハリケーンに備えて建物の補強を行います。ハリケーンが過ぎた翌朝、建物内には水が流れ込み、修繕が必要となります。

オマールは、子供の数が増えて経営資金が足りなくなり、銀行から借金をしていました。銀行からは、借金を返済するよう何度も催促され、これ以上待てないと警告されます。

街の役所では、ビスビーズに参加する漁師たちで賑わっています。昨晩のハリケーンで、外国のチームが欠場することになり、地元の漁師を無料で出場させることになります。

ウェイドも出場しようとしますが、出身地はサンディエゴなため、地元の漁師とは認められず、役員のビズは拒みます。ウェイドとビズは過去に何らかのトラブルが起きて、ビズはそのことについて許していません。(花火の件と言っていたが、映画上では語られず)、

ウェイドは「船員は誰でもいいから出場させてくれ」とお願いします。ビズは、オマールや子供たちを船員にすることを条件に出場を許可します。

オマールは子供たちを守り、借金を返済するため、釣り大会に参加することになります。一攫千金を狙います。

 

ネタバレ感想

ネタバレ注意
ここから先は物語の結末にも触れているのでネタバレ注意です。

1日目

オマールは、孤児院の子供たちとモコを連れ、ビスビーズに参加します。ウェイドは11年前に初優勝した際の乗組員であるチャトを連れてきます。

3日間にも及ぶ釣り大会が始まりますが、ウェイドの船はボロ船のためエンジンがかからず、スタートが出遅れてしまいます。先行きが不安です。

ウェイドは、オマールにリールを巻く作業を任せようとしますが、オマールは子供たちにやらせようと提案します。その日にリールを巻く人は、チーム内で一人と決められ、交代は禁止とされています。1日目は、モコが担当することになります。

オマールは、子供たちに過度な期待をさせたくないとウェイドに話しますが、ウェイドは「巨大なカジキを釣ってやる」と子供たちを鼓舞します。ウェイドには、勝利の二文字しかありません。

ウェイドは大会で優勝した際に、怪我をした傷跡を自慢げに見せます。子供たちも同じような傷跡があると言いますが、ハンガーで殴られた傷や養父からの虐待による傷など、想像を絶するものでした。普通は隠したいと思う傷跡ですが、子供たちは平気な顔をして笑いながら話します。

そんな話をしていると、ルアーに魚が食いつきます。リールを巻き釣り上げていきますが、魚ではなく、海藻でした。

大会1日目が終わり、167キロの魚を釣り上げた別のチームが暫定一位となります。

オマールは、昔の悪仲間であるヘクターと再開します。ヘクターはオマールが借金を抱えていることを知り、ヤクを売って稼ごうと誘いますが、オマールは断ります。汚い金で借金を返済しても、子供たちを守ることはできません。

 

2日目

大会2日目、ヘクターから貰ったお揃いのTシャツを着て、一致団結します。

船内では、ウェイドの家族の話になります。妻と子供は、テキサス州北部にあるダラスで暮らしています。ウェイドは、家族ではなく釣りを選びました。

ウェイドが子供に釣り糸の結び方を教えている場面は、子供が好きなところが伝わってきます。息子に自分の偉大さを証明するため、釣り大会にこだわっています。

船内に揺れながら魚を待っていると、リールに反応が。ウィキがリールを巻いていくと、海藻ではなくカジキがヒットしています。船内はカジキに浮かれていますが、ゲコとマコは言い争いになり、喧嘩を始めます。二人は喧嘩の反動で、海に落ちてしまいます。

オマールとチャトは、ゲコとマコが溺れていることに気付きますが、二人はカナヅチなため、助けることができません。ウェイドが仕方なく助けに行きますが、リールにかかったカジキを逃してしまいます。

大会二日目が終わり、ウェイドはカジキを逃して絶望し、酒に浸ります。オマールは、子供が描いた絵をウェイドに渡します。

夜中、オマールが子供たちを救うために、釣り大会に参加していることを知ったウェイドは、122キロのカジキを買い取り、大会の当日に釣ったことにしようと不正をしようとします。ウェイドは2度目に優勝した際にも、この不正を行なっていました。

オマールは不正の提案を躊躇しますが、子供たちを守るためには不正をするしかないと受け入れることにします。大人が汚くなる様子をマコは見ていました。

 

3日目

船にカジキを隠し、大会3日目が始まります。オマールとウェイドは、子供たちが目を離した隙に、事前に準備しているカジキをルアーに引っ掛けようとします。

オマールは準備をしますが、ポケットに釘が入っていることに気付きます。この釘は、子供に勇気を与えた希望の釘です。オマールはそのことを思い出し、カジキを海に沈めます。

大人たちは、過去の栄光やトラウマに縛られていますが、子供たちは壮絶な過去を体験したものの、過去を振り返らず、未来しか見ていません。そんな子供たちを見て、大人たちが変わり始めます。

優勝を諦めたその時、ルアーがヒットします。ルアーの先にはカジキがいます。カジキが海上に跳ね上がった瞬間に、船内で「おぉー」と盛り上がるシーンがたまらなく好きです。

オマールがリールを巻き上げ、子供たちが見守る中、カジキを釣り上げます。亡くなった父親のトラウマと戦うように。カサ・オガールは、174キロのカジキを釣り上げ、優勝を果たします。

 

エンドクレジット

最後のエンドクレジットで明かされますが、子供たちは釣りの経験が全くありませんでした。優勝賞金は、建物の改修や増築、少女への新しい支援活動に使われました。

オマールと妻のベッカは、カサ・オガールで子供たちの支援を続けています。カサ・オガールは個人の寄付によって支えられています。経営の資金はどこから出ているのか疑問でしたが、個人の寄付と知って驚きました。

公式サイトでは、カサ・オガールに寄付をすることができるそうです。

https://www.casahogarcabo.com/ 

 

まとめ

簡単にカジキを釣り上げてしまい、釣り大会の過酷さが伝わって来なかったので、そこは物足りないと思いました。

子供は壮絶な体験をしていますが、過去を振り返らず、真っ直ぐ前を見て生きているのに感動しました。大人が思っている以上に、子供は強いのかもしれません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

参考文献

ブルー・ミラクル (2021) – IMDb

https://www.imdb.com/title/tt7084386/

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