Netflix『ソフィアローレンだったなら』ソフィアとおばあちゃんの心温まるドキュメンタリー

イタリアの大女優ソフィア・ローレンと、彼女に憧れるイタリア系アメリカ人のおばあちゃんの二人の人生を交えた短編ドキュメンタリー『ソフィアローレンだったなら』を紹介したいと思います。

 

ソフィア・ローレンだったなら

ソフィア愛

Netflixで配信中の『ソフィアローレンだったなら』(21年)は、ソフィア・ローレンと彼女の出演する映画に励まされおばあちゃんの二人のインタビューを織り交ぜた短編ドキュメンタリーです。原題は「What Would Sophia Loren Do?」です。

おばあちゃんが当時どのように育って彼女の映画を見ていたのか話します。ソフィアの動作も真似てしまうほどのおばあちゃんのソフィア愛が止まりません。同時に、ソフィア・ローレン評にもなっています。

本作に登場するおばあちゃんは、ソフィアの出身地でもあるナポリの南に位置するバニャーラ・カーラブラ出身です。両親がイタリアから渡米して3年後に生まれ、親戚はイタリア系の人ばかりで、朝食はシリアルではなく野菜入りオムレツ。映画を見るときも言葉や生活様式が違うアメリカ映画は見ずにイタリア映画ばかりを見ていました。そこで出会ったのが、ソフィア・ローレンです。

 

イタリアの大女優

ソフィア・ローレンは1934年にイタリアの首都ローマで生まれ、幼少期はナポリ近郊のポッツオーリで過ごしました。戦時中は食べ物がないほど貧しく、それなのに父親は何もしてくれず母親はソフィアと妹をどう育てていけばいいのか途方に暮れていました。ソフィアはロミーダ・ヴィラーニとリカルド・シコローネの間に生まれた内縁の子であったため、両親が結婚していないことをコンプレックスに思っていました。

母親にミスコンテスト出場を勧められ、優勝したのをきっかけに女優の道を歩むことになりますが、スクリーンテストを受けた際は「鼻が高過ぎる」、「ヒップが大きい」と指摘されることが多く苦労したそうです。おばあちゃんは「ソフィアは美しいが、グレース・ケリーのような典型的な美人ではなく、個性的な美しさ」と話しています。それに惹かれてソフィアに憧れたそうです。『L’oro di Napoli』(54年)のワンシーンを楽しそうに見るおばあちゃんは、ホントにソフィアのことが好きだと分かる印象的な場面でした。

ソフィアはイタリアの映画監督・俳優のヴィットリオ・デ・シーカに見出され、17歳の時に『The Gold of Naples』(54年)で彼と共演して名前が売れ始めます。彼女の出演する映画はセクシーなシーンも多く、セックスシンボルとしても有名になりました。甲斐バンドの「一世紀前のセックス・シンボル」では、「あの娘は一世紀前のセックス・シンボルさ。ソフィア・ローレン、ラクウェル・ウェルチに負けやしない」と歌詞に登場します。

1957年、ソフィアを映画スターに育てたカルロ・ポンティと結婚しますが、既に結婚しているカルロは重婚罪に問われる可能性があるため、1962年に婚姻関係を無効にします。ちょうどその時、ソフィアは『誇りと情熱』(57年)で共演したケーリー・グラントからプロポーズされていました。二人の男性の間に揺れるソフィアですが、カルロの離婚が成立しソフィアはカルロを選びます。恋多き女性です。

 

ふたりの女

1962年、主演した映画『ふたりのおんな』(60年)の演技が評価され、第34回アカデミー賞・主演女優賞を受賞します。アカデミー賞の会場には出席せず、受賞の旨を自宅で知ったそうで、欠席した理由については「その年の授賞式から外国の映画も受賞できるようになった候補に選ばれたことは光栄だったが、受賞は無理だと思っていたので自宅にいた」と話しています。

『ふたりのおんな』は1960年に公開されたイタリア映画です。監督はソフィアを見出したヴィットリオ・デ・シーカです。原作はイタリアの小説家アルベルト・モラヴィアが1957年に発表した「二人の女」です。

第二次世界大戦下、ローマで食料品店を営む主人公チェジラ(ソフィア)は娘のロゼッタと共に故郷へ疎開します。しばらく故郷で過ごしますが、だんだんと戦争の魔の手が迫ります。

主人公チェジラは、戦争の魔の手が迫っていても娘が心配しないよう明るく陽気に振る舞いますが、チェジラと娘に理不尽な辛いある出来事が起きます。戦争は命だけでなく、心も奪ってしまう恐ろしい出来事です。しかも、この出来事は実際にあったことです。

 

ラッタッタ

1976年、ホンダが開発したオートバイ「ロードパル」のCMにソフィア・ローレンが出演しています。ラッタッタは印象的で、バイクの乗り方がカッコいいです。

 

まとめ

本作の終わりにはほっこりするような出来事が待っていて、心温まるドキュメンタリーとなっています。

誰もが有名人に憧れなりたいと思う「〇〇だったなら」を面白く描いたドキュメンタリーでした。他の有名人とかもできそうなので、「〇〇だったなら」シリーズを作ってほしいですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

リンク

Netflix ソフィア・ローレンだったなら

 

参考文献

83歳ソフィア・ローレンの今もなおグラマラスに生きる彼女の20の言葉。 | Vogue Japan

https://www.vogue.co.jp/celebrity/quoteme/2017-09-20

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