【ネタバレ感想】『好きだった君へ: これからもずっと大好き』ラブレターで終わる物語

こんにちは、つけものなすです。

今回は、ラブレターから始まる恋愛を描いた3部作の最終章『好きだった君へ: これからもずっと大好き』(21年)について書きたいと思います。

好きだった君へ: これからもずっと大好き

ラブレターから始まる恋

『好きだった君へ: これからもずっと大好き』(To All the Boys: Always and Forever)は、2021年2月12日にNetflixで配信開始されました。原作はジェニー・ハンが2017年に発表した「Always and Forever, Lara Jean」です。3部作の最終章なので、前作と前々作を見ていないと楽しめないと思います。

1作品目の『好きだった君へのラブレター』(18年)は、16歳の高校生のララ・ジーンが過去に書いたラブレターをきっかけに、同級生のピーターと付き合うまでを描いています。お互い好きな人を嫉妬させるために、恋人のフリをする関係性から始まります。恋人のフリが次第に本物の恋人になっていく様子が面白おかしく描かれています。ピーターがヤクルトを飲むシーンは当時話題となり、ヤクルトの売り上げが急上昇したそうです。

2作品目の『好きだった君へ: P.S.まだ大好きです』(20年)は、ララが過去に書いたラブレターを受け取ったジョンが現れ、ジョンとピーターの三角関係になり、二人の男の間で揺れるララの恋心が描かれています。ジョンは1作品目のラストで登場していますが、2作品目のジョンは全く別の人物として描かれています。

最終章の『好きだった君へ: これからもずっと大好き』は、ピーターとララが同じ大学を目指し受験をしますが、ピーターは合格し、ララは不合格となってしまいます。ひょんなことから、ララはピーターに合格したと嘘をついてしまい、波乱の幕開けとなります。ジョン・ヒューズ監督の『すてきな片想い』(85年)のズボンの後ろポケットに手を入れることを憧れていたララは、懐かしく思えるくらい成長しています。

『好きだった君へ』シリーズの見どころの一つが、20以上にも及ぶ楽曲です。ティアーズ・フォー・フィアーズやスパイスガールズ、オアシスやBLACKPINKなど幅広い楽曲となっています。好きな曲に巡り合えること間違いなしです。

好きだった君へ: これからもずっと大好き

 

ネタバレ感想

ネタバレ注意
ここから先は物語の結末にも触れているのでネタバレ注意です。

ララは家族一同で亡くなった母親の故郷である韓国を訪れます。恋の名所であるNソウルタワーを訪れ、南京錠を探します。妹のキティはデイと出会い、恋人関係となります。ピーターの弟と何かあるかと思いましたが、特に何もありませんでした。

ララはピーターと一緒にスタンフォード大学を受験し、大学生になっても一緒にいることを楽しみにしていますが、ジェーン・オースティンが1813年に発表した恋のすれ違いの物語「高慢と偏見」を読んでいます。まるで、ピーターとすれ違うのを示唆するかのように。

旅行から帰宅すると、ピーターが出迎えてくれます。二人はキャメロン・クロウ監督の『セイ・エニシング』(89年)を見ます。向かいのトレヴァーの家では、父親のダンがプロポーズをしています。

自宅のリビングで結婚式について話していると、スタンフォード大学の合否通知の連絡が来ます。ピーターはスポーツ推薦で受かっているので、あとはララだけです。結果をおそるおそる確認すると、まさかの不合格でした。スパイス・ガールズの「Wannabe」の曲に合わせて幸せな未来を描いていましたが、全て崩壊です。

ピーターから「合格した?」とメッセージがきたので返信しようとしますが、誤って姉に送信する内容を送ってしまい、「もちろん!」と伝えてしまいました。気付いた時には送信ボタンを押していたので、ピーターから直ぐに電話がかかってきます。外からは音楽が聞こえて、ラジカセを担いだ『セイ・エニシング』のオマージュをしたピーターの姿がありました。

「実は不合格だった、」と訂正することはできず、スタンフォード大学のマスコットキャラクターの帽子を被り、祝福されます。

ララはひどく落ち込み、学校をサボって悲劇の物語『ロミオ&ジュリエット』(96年)を見ています。バークレー大学の合否通知の連絡が来ても、自ら確認するのが怖いので、代わりにキティとトレヴァーに確認してもらいます。すると、結果は合格でした。

ララたちは修学旅行でニューヨークを訪れます。ようやくスタンフォード大学は不合格だったと伝え、バークレーからスタンフォードまでは車で1時間なので週末に会うことができ、1年後に編入すればいいと前向きに捉えます。

ララとクリスティンは観光でNYU(ニューヨーク大学)を訪れ、ジェンの知り合いの大学生からパーティに誘われます。大学生のパーティに参加し、そこでララはピーターとのテーマソングにぴったりの曲を見つけ、ニューヨークに惹かれます。大学生に元彼の家からソファを運び出す手伝いをすることになり、ソファを運び出し地下鉄に乗り込みます。そんなことできるのかと調べてみると、実際にやっている人がいました(笑)。さすがニューヨーカーです。

https://www.youtube.com/watch?v=a0wfxm7HbLI

 

修学旅行を終え、ララは自宅でデートプランを考えています。ノートには映画のタイトルが書かれ、その中にはラナ・コンドルが出演している『X-MEN: アポカリプス』(16年)や監督のマイケル・フィモナリが携わった『ドクター・スリープ』(19年)も入っています。考えた末、ピーターとボウリングをすることにします。ジョエル・コーエン監督の『ビッグ・リボウスキ』(98年)のオマージュ全開です。

 

ニューヨークに惹かれているララは、NYUに受かっていたことを知り、ピーターにNYUに進学することを伝えます。ハーバードからニューヨークまでは1日と18時間かかる距離です。プロムでは、ピーターはプロムキングに選ばれ、ララは自分との違いに改めて距離を感じます。

プロムの帰り、ララは今まで守っていた門限を破り、ピーターを部屋に入れ贈り物を渡します。その中身は思い出の写真や手紙でした。オアシスの「Don’t Look Back In Anger」を聴きながら、思い出の品を詰める場面は、ピーターのことを忘れようとしているように見えます。ララはピーターとキスをして、最後までしようとしますが、ピーターは拒み別れることを告げます。

悲しみのどん底にいるララは、クリスティンに励まされアイスをやけ食いします。『プロム』(20年)でも嫌なことがあったらアイスをやけ食いしていました。

NYU合格を黙っていたキティは、ララと離れてしまうのが寂しいため合格を黙っていました。そのことを知ったララとキティが抱き合う姿は感動します。三姉妹の家族愛が上手く描かれています。

ダンとトレヴァーの結婚式は大いに盛り上がり、大人のプロムが始まります。喜びと悲しみの狭間にいるララは、いつも近くにいるピーターのことを思い出します。時折見せる悲しい表情にグッときます。

その頃ピーターは、離婚した父親と会っていました。今までは、父親がしてきたことを許していませんでしたが、少しずつ向き合うことにします。前作、前々作はロマンティック・コメディがメインでしたが、本作は登場人物が自分自身と向き合う話になっています。

結婚式が終わり、ララは自宅で落ち込んでいると、キティから「テントに忘れ物があるから取りに行って」と言われます。テントに行くと、そこには卒業アルバムが置いてあり、ピーターの思い出の綴ったメッセージが書かれていました。回想の場面で、中学の全校集会で校長先生を演じているのは、作者のジェニー・ハンです。マーベルシリーズのスタン・リーのように全作カメオ出演しています。

高校を卒業し、ララとピーターは遠距離ながらも付き合っていくことを決めます。ララは遠距離の利点として、ラブレターが書けることを挙げます。本作の物語は、ラブレターで始まり、ラブレターで終わりますが、ララとピーターの恋愛はまだ始まったばかりです。

 

まとめ

ララとピーターの恋愛模様、三姉妹の家族愛が見事に描かれていました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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