Netflix『ナイト・ストーカー: シリアルキラー捜査録』連続殺人鬼に迫る!

こんにちは、つけものなすです。

今回は、Netflixで配信中の実録犯罪ドキュメンタリー『ナイト・ストーカー: シリアルキラー捜査録』を紹介したいと思います。

 

ナイト・ストーカー: シリアルキラー捜査録

Netflixで配信中の『ナイト・ストーカー: シリアルキラー捜査録』は、無差別に民家を襲撃し殺人や性的暴行を繰り返す連続殺人鬼ナイト・ストーカーの異名をもつリチャード・ラミレスを追う実録犯罪ドキュメンタリーです。

事件を追う2人の捜査官や被害者の証言、当時の映像を交えたドキュメンタリーとなっています。直接過激な描写はないものの、当時の様子を聞くと生々しいので、思わず耳を塞ぎたくなります。初めて耳にする拘束道具もありました(怖い)。

1エピソード50分弱の全4エピソード構成になっています。リミテッドシリーズなので、1シーズンで完結します。

 

ナイトストーカー

本編では被害者の名前は公表されていますが、当記事内では伏せています。

1985年3月17日、ロサンゼルスに住むある女性が商業施設の店に入ると、オーストラリア出身のロックバンド「AC/DC」のロゴ入りの帽子がテーブルの上に置いてありました。女性は帽子を手に取るが異様な気配がしたので直ぐに戻すと、男が近付いてきて帽子を手に取りうすら笑いを浮かべどこかへ去りました。男の手には悪魔の絵が描かれていました。

女性は職場から帰宅するため車で高速道路に乗ると、後ろから一台の車が猛スピードで近付き、女性の車の前に入り込みます。その車の運転手は店で会った悪魔の男でした。その後は特に何もされませんでした。

その夜、ロサンゼルス郡の都市ローズミードで一件の通報が。捜査官が向かうとガレージの扉は開いていて、至る所に血の跡がありました。寝室に行くと台所に横たわる30代の女性の姿がありました。ガレージには「AC/DC」のロゴ入りの帽子が落ちていました。

亡くなった女性のルームメイトの証言では、帰宅したときに物音に気付き振り向くと男が佇み彼女に銃を向けます。彼女は手で顔を隠し銃弾は手に持っていた鍵に当たります。男は倒れた彼女を押しのけて家の中へ入り、彼女が起き上がると再び銃声の音が聞こえました。正面玄関に行くと男が出てきたので、彼女は「また私を撃つの」と聞くと男は銃を下ろし、夜の闇の中へ消えていきました。彼女は命拾いしました。

その40分後、アジア人の女性が車から引きずり出され理由もなく射殺されました。犯人は、40分前に起こった事件と同じ口径の銃を使っていました。

ローズミードで起こった事件の生存者の証言をもとに犯人の似顔絵を描くと、ピコ・ラベル市で起こった誘拐未遂事件の犯人の似顔絵と酷似していました。この事件では、誘拐した子供に性的暴行を加え、殺さずに生きたまま帰していました。

1985年3月27日、ウィッティア市で60代の男性と40代の女性が惨殺されました。男性はソファで寝ている時に射殺され、女性は性的暴行を受け両眼をくり抜かれていました。

その後も同じような事件が起こり、犯人は惨殺行為を繰り返します。ある日刊紙が犯人のことをナイト・ストーカーと名付け、その名前が定着していきます。

 

捜査官

事件を追うのは捜査官のギル・カリロとフランク・サレルノです。

ギル・カリロは、メキシコ人の居住区で育ち学校へは行かずにギャング仲間とつるんでいました。それを見かねた警察官は親に「死ぬか犯罪者になる前に入隊させなさい」と助言しました。両親は17歳になったギルを陸軍に入隊させました。ベトナム戦争では、第189攻撃ヘリコプター中隊に所属し、除隊後は人生の目標であった警察官になりました。

29歳の時に優れた警察官として表彰され、警察官になって9年半後に憧れの殺人課に配属されます。その後は多くの殺人事件を解決し、一度関わった事件は離さないことからブルドッグの愛称で呼ばれていました。

ギルは毎日17時間以上も仕事をしているので、妻は心配しています。家に帰ってきても数時間寝て直ぐに現場へ急行する生活を送っていました。ギルの妻はインタビューで「警察官の妻は並大抵のことではない」と話しています。ギルは事件のストレスから悪夢さえ見始めます。

ナイトストーカーの捜査を進めるうちに、憧れの的で凄腕の先輩であるイタリア人のフランク・サレルノと相棒を組みます。サレルノはヒルサイドの絞殺魔を追っていました。ヒルサイドの絞殺魔は、1977年から79年にかけて、ケネス・ビアンキが従兄弟のアンジェロ・ブオーノとともに12名の女性を強姦・殺害した事件です。遺体を丘の斜面に遺棄していたことからヒルサイドの絞殺魔と呼ばれています。本編中でも少し触れています。

ギルとサレルノのコンビが惨殺行為を繰り返すナイト・ストーカーに迫ります。

 

難航する捜査

犯行手口の一貫性が無かったり、警察組織のしがらみによって捜査は難航します。

犯人の足跡を見つけて履いている靴を特定しますが、誰が購入したかまでは特定することはできませんでした。靴を頼りに同一犯の可能性であるか判断しますが、マスコミはそのことを知ってテレビで流そうとします。情報が公になってしまえば、犯人は靴を変えてしまい捜査の妨げになってしまいます。敵は犯人だけではありません。

犯人が運転していた盗難者を押収するのですが、押収した事件は捜査の管轄外だったため思うように調べることができず、犯人を逃がしてしまう事態に陥ります。ロサンゼルス郡には、郡保安局やロサンゼルス市警など多くの管轄があります。管轄同士で競争意識が生まれ成果を上げることが優先され、他の管轄には情報共有をしないようになります。事件を解決するのが目的ではなく、誰が星を挙げるかが重要になってしまいます。

押収した車には歯科医の名刺があり、犯人は名刺に書かれている歯科医院で治療していたことが分かります。早く調べることができていたら、歯科医院に張り込み犯人を捕まえることができました。被害者のことを考えると胸が痛いです。

 

マスタード大佐

ギルが「マスタード大佐も台所の銃から導いた」と言う場面があるのですが、マスタード大佐はイギリス発祥のボードゲーム「Cluedo」に基づいて映画化した『殺人ゲームへの招待』(85年)に登場する人物です。

パーティーが開かれている大邸宅で殺人事件が起こり、誰もが犯人になり得るサスペンス映画です。3つのエンディングが用意され、劇場ごとに異なるエンディングが上映されました。かなり斬新です。

 

まとめ

特に前提知識は不要で、捜査の一連の流れを緊迫感に満ちた証言をもとに知ることができます。見応えのある重厚なドキュメンタリーとなっています。

少し物足りなかったのは、リチャード・ラミレスの背景を掘り下げて欲しかったです。あっさり流されてしまったので。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

予告

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