【ネタバレ感想】『ブライト: サムライソウル』幕末後の日本を舞台に繰り広げるファンタジー

今回は、日本のアニメーション映画『ブライト: サムライソウル』(21年)について書きたいと思います。

版画のような絵作りで面白いです。

 

ブライト: サムライソウル

版画

『ブライト: サムライソウル』は、2021年10月12日からNetflixで配信開始されたオリジナル・アニメーション映画です。上映時間は1時間20分。

監督は、『サイダーのように言葉が湧き上がる』(20年)のイシグロキョウヘイ。声の出演に、野村裕基、平川大輔、若山詩音、雅-miyavi-など。音楽を担当するのはインスト・ロック・バンドのLITE。

本作は、Netflixオリジナル映画『ブライト』(17年)のスピンオフ作品となっています。『ブライト』の舞台はアメリカのロサンゼルスですが、本作は日本の幕末から明治時代の日本となっています。世界観をそのままに、日本の文化を取り入れた新しい作品となっています。

人間以外にもエルフやオーク、ドワーフなど様々な種族が暮らしている世界となっています。

アニメーションについてイシグロキョウヘイ監督は、「インスピレーション元は、明治や大正時代に活躍した吉田博という版画家」と話しており、版画みたいな絵作りで面白いです。

 

江戸城総攻撃

「慶応4年(1868年)、江戸。西郷隆盛と勝海舟による会談が決裂。西郷率いる新政府軍は徳川慶喜が籠城する江戸城に向けて総攻撃を開始した」(冒頭の引用)

現実の世界では西郷隆盛と勝海舟の会談により、江戸城総攻撃を中止して江戸の危機が回避されましたが、本作は違います。会談が決裂し、江戸城総攻撃が行われ、新政府軍と旧幕府軍は激しく戦います。戦場が悪化する中、ある女性が「バイクワラス」と呪文を唱えると、光を放ち、人々は戦いをやめます。

 

明治維新

舞台は数年後の京都。明治維新が始まり、新しい時代が幕を開けます。

江戸城総攻撃で戦った主人公のイゾウは、遊郭の旭日楼という名前の店で用心棒をしています。旭日楼には政府関係者も訪れ、京都一の美人と言われる千早太夫がいます。イゾウの右目には傷跡があり、かつての師に裏切られ、その時につけられた傷跡です。それ以来、人を信用できなくなります。

楼主(ろうしゅ)は、手に入れた孤児のエルフ(ソーニャ)をイゾウに預け、牢屋に入れさせます。エルフは人の光と闇を見る事ができ、イゾウは光のオーラに包まれています。

イゾウは太夫の部屋を訪れ、エルフが来たことを伝えます。太夫は「私の禿(遊女見習いの幼女)にする」と言い、ソーニャを牢屋から出して引き取ります。

 

燃える旭日楼

太夫には過去の記憶がないため、なぜ遊郭で働いているのか分かりません。思い出そうとしても、思い出せません。太夫はソーニャに、自身がエルフであることを明かし、函館にエルフの国があることを教えます。

旭日楼にエルフ狩りのオークたちがやってきます。従業員を殺していき、頭目はエルフを探しています。旭日楼に炎の矢が打ち込まれ、太夫はソーニャを連れて逃げようとしますが、頭目に見つかります。太夫はかんざしを握ると、過去の記憶が蘇り、青い光を放ちます。頭目は左腕が切断され怒り狂い、太夫の心臓をナイフで刺します。

太夫は最後の力を振り絞り、かんざしをソーニャに渡し、「バイクワラス」と呪文を唱えます。青い結界に包まれますが、太夫が力尽きると結界は消えてしまいます。イゾウはオークのライデンと戦いますが、なぜかオークはソーニャを助け、3人は旭日楼から脱出します。

 

ネタバレ感想

ソーニャは太夫が行きたがっていたエルフの国を目指すため、イゾウとライデンを雇おうとします。ライデンは今回の仕事が最後で、足抜けする約束をしていました。「殺しはやりたくない」と言い、自身の牙を折り、牙を誓いの印として信用してもらおうとします。3人は函館にあるエルフの国を目指します。

道中、頭目に出くわし、ソーニャを奪われそうになります。崖の上まで追い込まれ、イゾウは銃で撃たれ、3人は川に飛び込みますが、ソーニャは手間の石の上に落下して、頭目に捕まります。

イゾウとライデンは川に流され、ケンタウロスのツクヨミに助けてもらいます。ツクヨミは半人半馬の賢人と呼ばれ、エルフと魔法の杖について教えてもらいます。

魔法の杖であるワンドは、光を纏うものが使うと世界は光に包まれ、闇を纏うものが使うと世界は闇に包まれます。ワンドの使い手をブライトと呼び、ブライトのほとんどがエルフです。ワンドとブライトを巡り、光の盾とインファーニと呼ばれる人々が対立します。

一方、横浜では、インファーニのコウケツが大久保利通と会談します。ダークロードを目覚めさせるには、魔法の杖のワンダが必要だと説明します。コウケツのいる館には、ナーシャが捕えられています。コウケツは政府と協力してワンドの使いを探すため、頭目を雇いエルフ狩りを行っていました。

イゾウとライデンは、エルフ街のある横浜を目指します。横浜に着くと、イゾウは光の盾の太夫の姉(アンナ)と出会い、ライデンはソーニャが着ていた服を見つけ、居場所を突き止めます。

太夫の姉は「太夫はワンダの使い手で、函館から江戸城にやって来て、新政府軍と旧幕府軍の戦いに紛れて江戸城へ潜入し、ワンダの力を解放して失踪した」と話します。

ソーニャのいる屋敷に行くと、ソーニャを連れてどこかへ向かっているコウケツと遭遇します。コウケツは、イゾウのかつての師でした。ライデンとアンナはコウケツと戦いますが敗れ、イゾウは手を出す事ができません。コウケツはソーニャを連れ、船で本国へ向かいます。

光の盾のアジトへ向かい、船でコウケツを追いかけます。イゾウとライデンはコウケツの船に乗り込み、雷神は頭目と、イゾウはコウケツと戦います。頭目の左手からはタコの触手が生え気持ち悪く、ライデンとの激しい戦いの末、相打ちとなります。

イゾウはソーニャを助け出し、コウケツと戦いますが敗れ、トドメを刺されます。それを見たソーニャは泣き叫ぶと、かんざしが光り出します。手に取ると結界がはられ、イゾウの傷跡がなくなり、蘇ります。かんざしがワンダ、ソーニャがブライトでした。ソーニャは「バイクワラス」と唱え、コウケツは光と共に消え去ります。

数日後、ソーニャは太夫の願いを叶えるため、エルフの国がある函館へ向かいます。ソーニャはイゾウとライデンに別れを告げます。イゾウはソーニャがかんざしを置いていったことに気付きます。イゾウは「人間は人間で何とかする」と言い、かんざしを海に捨てます。

 

なぜ、ライデンは生きているのか??

頭目と戦い相打ちとなったライデンは平気で生きていますが、あれはソーニャが力を使いイゾウが復活したように、ライデンにも力が働いた、とイシグロキョウヘイ監督がインタビューで語っています。

 

感想

日本の文化を取り入れて、オリジナル版とはまた違った作品で面白いなと思いました。イゾウがかつての師を自分自身で倒す事ができなかったのが唯一の心残りです。

 

まとめ

ソーニャが強すぎました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

参考文献

没後70年 吉田博展

https://yoshida-exhn.jp/

 

「この作品を日本で作る意味を意識した」 イシグロキョウヘイ監督に聞くNetflix映画『ブライト:サムライソウル』(ねとらぼ) – Yahoo!ニュース

https://news.yahoo.co.jp/articles/66f99802431284086e6b6ad21f4a29f4cbc85490

 

ブライト:サムライソウル – 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarks映画

https://filmarks.com/movies/97578

 

Bright: Samurai Soul (2021) – IMDb

https://www.imdb.com/title/tt14837960/

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