【ネタバレ感想】『バック・ノール』警察官が麻薬組織を壊滅させるために自ら麻薬を調達するが…

こんにちは、つけものなすです。

今回は、警察官が麻薬組織を壊滅させるために、自ら麻薬を調達するフランス映画『バック・ノール』(20年)について書きたいと思います。

実話に基づいたフィクションです。

バック・ノール

大きな事件

『バック・ノール』(原題:BAC Nord)は、2020年に映画祭で上映され、2021年9月17日にNetflixで配信開始となりました。上映時間は1時間45分。

監督は、セドリック・ヒメネス。出演は、ジル・ルルーシュ、フランソワ・シビル、カリム・ルクルー、アデル・エグザルコプロス、ケンザ・フォルタス、ジャン=イヴ・ベルトルートなど。

警察官のグレッグ、ヤス、アントワンの3人は、麻薬や強奪など凶悪事件の捜査を行なっています。団地を縄張りにする麻薬組織の売人を追っていますが、売人だけでなく団地で暮らす人々は武装しており、命懸けの捜査です。

団地の売人を捕まえても上司のジェロームに評価してもらえず、ノルマ達成は厳しく安月給と、うだつが上がりません。ヤスは結婚して妻は妊娠しており、もうすぐ父親になります。

そんな中、知事からの要求で、団地で活動している麻薬組織の壊滅を依頼されます。3人にとって、初めての大きな事件です。

 

麻薬の調達

アントワンは、情報提供者のアメルから麻薬組織のアジトの場所を聞き出そうとします。アメルのいとこは、麻薬組織の一員のため、いとこから内部事情を知ることができます。アメルは情報提供と引き換えに、5キロの麻薬を要求します。

3人はジェロームに相談しますが、5キロの麻薬を自力で入手しろと命令されます。3人は麻薬を手に入れるため、夜中に広場で売人から麻薬を買った人に「警察官だ」と話しかけ、麻薬を回収します。3週間夜勤を続け、2キロのドラッグを回収します。

しかし、客を止めていることが売人に見つかり、警察官だと知られてしまいます。広場で事件があり通報があっても、正体が知られているため、現場へ駆けつけることができません。

3人では限界があるため、他の警察官とも協力して残りの2キロの麻薬を手に入れます。5キロの麻薬と引き換えに、アメルから麻薬組織の情報を聞き出します。

 

ネタバレ感想

ネタバレ注意
ここから先は物語の結末にも触れているのでネタバレ注意です。

3日後に、大量の麻薬がアジトに到着し、アメルは「売人は絶対にバッグを渡さない。万が一のためにバッグの監視係を配置して回収させる」と話します。つまり、バッグを回収すれば麻薬組織のアジトを突き止めることができます。

アメルの情報通り、麻薬組織が動き出します。大勢の警察官を導入し、ギャングとの激しい抗争の中、バッグを手に入れます。

2ヶ月後、ヤスに子供が誕生し、3人は平和な生活を送っています。しかし、3人の元に内部監査の捜査官がやって来ます。麻薬の密売の容疑をかけられ、独房に入れられます。

上司のジェロームは、自身が下した命令について「知らなかった」と供述します。上司の命令のもと行なっていましたが、裏切られます。知事の依頼で行なったのにも関わらず、処分を下されたのは身分の低い者だけでした

有罪になれば懲役20年になる可能性もあります。弁護士からは、無罪になりたければ情報提供者の名前を出せと言われます。

グレッグは看守を殴り倒したため、懲罰房へ入れられます。アントワンは仕方なく、警察官に情報提供者であるアメルの情報を渡します。検察側は麻薬密売の容疑を取り下げ、3人は釈放されます。

 

その後

釈放後の3人ついては字幕で説明があります。

グレッグは免職処分になり、現在は地方自治体の職員として働いています。ヤスは警察労働組合に異動し、上層部から同僚を守っています。アントワンは警察官を退職し、刑務所看護師として働いています。

 

感想

麻薬組織を壊滅させて万々歳かと思いましたが、上司や警察に裏切られ、自分たちだけが罪を背負う事になります。これが実際に起こった事件というのが驚きです。

ギャングとの抗争の場面は迫力があり、見応え十分です。もう少し、人物像の深い掘り下げがあるといいなと思いました。

グレッグが「宇宙に行きたい」という夢を話す場面は、とても切なくなりました。

 

まとめ

警察官の3人が可哀想になりました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

参考文献

BAC Nord (2020) – IMDb

https://www.imdb.com/title/tt10404944/

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