【超オススメ】音楽聴いたら人生変わった「カセットテープ・ダイアリーズ」

音楽映画といえば、最近ではクイーンの伝記映画である「ボヘミアン・ラプソディ」やエルトン・ジョンの半生を描いた「ロケットマン」などがあります。

今回紹介するのは、伝記映画と違って、「あるアーティストの音楽を聴いたら衝撃が走り人生変わった」音楽映画を紹介します。2019年に公開された「カセットテープ・ダイアリーズ」です(日本では2020年公開)。

舞台は1987年のイギリス。主人公のパキスタン系移民の高校生ジャベドは、誕生日が同じ幼馴染のマットとの格差や男尊女卑の父親、保守的な人からの嫌がらせなど、非常に窮屈な日常を送っていました。そんなある日、友人から貰ったブルース・スプリングスティーンのカセットテープを聴き衝撃が走ります。自分の窮屈さや葛藤を代弁してくれるアーティストがいたのでした。ここから主人公の人生は一気に変わります。

 

Blinded by the Light

邦題は「カセットテープ・ダイアリーズ」となっていますが、原題は「Blinded by the Light」となっています。

「Blinded by the Light」は、ブルース・スプリングスティーンのデビュー・シングルで、日本語タイトルは「光で目もくらみ」となっています。都会に住む若者の苦悩を歌っている曲です。

 

この映画のもとになった話

この映画は、サルフラズ・マンズールが2007年に発表した自叙伝「Greetings from Bury Park: Race, Religion and Rock N’ Roll」が原作となっています。脚本も担当しています。

この映画の主人公とは違い、16歳の頃に彼女はいなかったそうです。父親との口論や自己主張などもする勇気がなかったそうです。主人公であるジャベドの方が勇敢だったとインタビューで語っています。当時、父親に対して言えなかったことをジャベドが代弁しています。

 

知らなくても楽しめる

ブルース・スプリングスティーンのことを知らなくても楽しめる映画となっています。むしろ、知らないで見て好きになる映画だと思っています。

歌詞の意味も字幕で出てくるので、こういう意味だったと曲を知っている人も知らない人も楽しむことができます。見終わった頃にはブルース・スプリングスティーンのことが好きになっていることでしょう。

 

歌詞が語りかける

ブルース・スプリングスティーンの歌詞は、苦労する若者の葛藤を歌っている曲が多いです。

ジャベドが初めて聴く「Dancing In the Dark」という曲は、「夜に目覚め何も言うことがなく朝帰ってきてそのままベッドに入る毎日」という歌詞になっています。

本当に俺はこのままでいいのか、と力強く歌っています。ジャベドの苦悩や葛藤と歌詞がシンクロしているのが分かります。

 

こじらせ具合がイイ!

ジャベドがブルース・スプリングスティーンに目覚めると、彼女に聞かせたり、許可なく放送室で流したり(後で怒られます)、友人とはブルース・スプリングスティーンの曲の歌詞を引用しながら会話したりと、現実でやったら好かれないタイプです(笑)

拗らせ具合が学生の頃の「あるある」でとても良いです(ただ嫌われます)。

 

感想

新型コロナウィルスの感染拡大によって、映画館へ行けない日が続きました。三ヶ月ぶりくらいに映画館へ行き見たのが「カセットテープ・ダイアリーズ」でした。久しぶりの映画館ということもあってなのか、自分でも驚くくらい号泣してしまいました。