【ネタバレ】友情、恋愛、反抗、そしてラッキースケベ 青春映画「ブレックファスト・クラブ」

仕事を辞めた時とか、何かに区切りをつけた時に見る映画があります。それは「ブレックファスト・クラブ」です。

1985に公開された ジョン・ヒューズ監督の映画「ブレックファスト・クラブ」(The Breakfast Club)。ジョン・ヒューズは監督だけでなく、脚本や製作も務めています。出演者には、エミリオ・エステベス、ポール・グリーソン、アンソニー・マイケル・ホール、ジャド・ネルソン、モリー・リングウォルド、アリー・シーディ。

悪事を働かせた生徒たちが土曜日に補習として集められました。集められた生徒5人はスポーツマン、ガリ勉、お嬢様、不思議ちゃん、不良と異なるタイプの人たちです。普段は接することがないタイプの人と触れ合うことにより、友達にも言えない気持ちや悩みをさらけ出していきます。

アメリカで初めてスクール・カーストについて描いた映画です。今でも語り継がれる青春映画の大傑作です。子供の頃は、集められた生徒の子供目線で見ていましたが、大人になるにつれ学校の教師の大人目線で見たりと、自分の成長と共に何回も見ることができる映画です。

 

タイトルの意味は?

映画のタイトルである「ブレックファスト・クラブ」の由来ですが、ジョン・ヒューズ監督の友人の息子が通う高校で、生徒を拘留するためにつけた名前が「ブレックファスト・クラブ」。そこからきているそうです。

 

舞台は架空の町「シャーマー」

舞台であるイリノイ州のシャーマーは架空の町です。ジョン・ヒューズ監督作品の「フェリスはある朝突然に」もシャーマーが舞台となっています。

 

デヴィッド・ボウイのメッセージ

And these children that you spit on
As they try to change their worlds
Are immune to your consultations
They’re quite aware of
what they’re goin’ through

若者が変わろうとしている時、説教をしても何も効果はない。自分の変化はちゃんと分かっているから

引用元:デヴィッド・ボウイのアルバム「ハンキー・ドリー」に収録されている曲「Changes」の歌詞より一部抜粋

冒頭ではデヴィッド・ボウイのメッセージで始まります。これは、デヴィッド・ボウイが1971年に発売したアルバム「ハンキー・ドリー(Hunky Dory)」に収録されている曲「Changes」の歌詞の引用です。

アリソン役のアリー・シーディがジョン・ヒューズに提案し、オープニングにメッセージを追加しました。

 

補習に集まった生徒たち

アンドリュー

体育会系でレスリング部に所属しています。ブライアンの友達であるラリー・レスターのお尻にテープを貼ったため補習に呼ばれます。

 

ブライアン

数学部、物理部、ラテン語部に所属している真面目なガリ勉タイプです。ロッカーに銃(照明弾)を隠し持っていたため、補習に呼ばれます。冒頭の映像で照明弾が暴発した様子が映し出されています。

 

クレア

お昼ご飯に寿司の弁当を持ってくるくらいのお嬢様です。授業をサボって買い物をしたため補習に呼ばれます。

 

アリソン

何を考えているか分からない不思議ちゃんです。補習に来た理由は何か問題を起こしたわけではなく、退屈だったから来ていました。おそらく、親がアリソンのことを無視しているので家にいるのが苦痛で来たのでしょうか。

 

ジョン・ベンダー

色々なトラブルを起こしている不良です。父親と一緒にいるのを避けるため補習に通っています。

 

校内用務員のカール

校内用務員のカールが図書室に来ると、ブライアンは嫌な顔をします。雑用係をしているカールを軽蔑しているように見えます。

カールはこの学校の卒業生で、冒頭では「MAN OF THE YEAR」と卒業写真が映し出されます。アンドリューと同じくスクールカーストの頂点でした。

 

お昼ご飯で映し出される人物像

お昼ご飯を食べるシーンでは、それぞれのキャラクターの個性が出ています。

アンドリューは。チョコレートクッキー、サンドイッチ3つ、牛乳、バナナ、リンゴと食べる量がすごいです。さすが体育会系としか言いようがありません。

クレアは箸を使って寿司を食べています。1980年代中頃、寿司は高級食品となっていました。元々は、クレアは昼食にパスタサラダを食べる予定でしたが、アリー・シーディの提案で寿司に変更しました。まさかお昼の弁当に寿司が出てくると思わなかったので、思わず笑いました。

ブライアンは、スープや耳をとったパン、ピーナッツバターを食べています。親にしっかり教育されているのが分かる食事です。

ジョンの昼食を食べているシーンはありませんでした。

アリソンはコーラを飲み、食パンにPixyStix(アメリカンキャンディ)とCap’nCrunch(キャプテンクランチ)を挟んで食べています。

 

親に振り回される子供たち

集められた生徒は親と何かしらの問題があります。

アンドリューの父親は強い男を望んでいて敗北を認めていません。弱い者になるなと教えてきました。アンドリューは父親の期待に応えるため、弱い者いじめをしていました。

ブライアンは親からは成績の数字でしかみてもらえていません。楽勝だと思っていた技工で赤点を取ってしまい、親に顔向けできず、ロッカーに照明弾を隠し持っていたのだと思います。技工は頭の悪い奴が受ける誰でも楽勝に成績が取れる科目だと偏見を持っていました。その科目はジョンも受けていました。

クレアの両親は学校をサボったクレアのことを理由に喧嘩をしています。離婚するための口実だとクレアは言っています。親の車はDMWで昼食は高級食品の寿司で誰が見てもお嬢様です。本当の自分親にも友達にもさらけ出すことができず嫌気がさしています。

ジョンの父親は、ガレージにペンキをこぼしただけで葉巻をジョンの腕に押し付けたり暴力を振るっています。ジョンの腕にはその時の傷跡が今でも残っています。他の生徒と違って一人で登校しています。親からの誕生日プレゼントはタバコ1カートンとクレアとの格差に絶望しています。

アリソンは親から無視されています。車で送ってもらい、話しかけようとしますが、無視されてしまいます。家にいるのが苦痛で親から逃げるため補習に参加したり、いつでも家を出ることができるようにバッグには日用品が入っていました。

 

親の象徴である教師

親の象徴として高圧的な教師(ヴァーノン先生)が出てきます。暴力と教師である立場(権力)を使って、生徒たちをねじ伏せようとしています。

ヴァーノンはカールに「年々変わっているのはあんたさ。16歳の頃、教師を見てどう思った?」と聞かれます。

子供の時に教師にやられて嫌だったことを、教師になって生徒に同じことをやってしまっているということに気付きます。教師の楽しさよりも世間の評判を気にしていることが分かります。

 

Don’t You

ブライアンの禁断の一言「僕たち月曜日に学校で会った時どうする?」

スクールカーストの最大のテーマをブライアンが言います。友達には言えなかった悩みや問題を打ち解けあえたのに、月曜日になっていつもの日常になったらいつも通りに戻ってしまうのでしょうか。クレアは話しかけられたら返事をしたいが、自分の立場や周りの友達のことを考えるとできないと答えます。

主題歌であるシンプル・マインズのDon’t Youはこの映画のために作られました。「私のことを忘れないで。すれ違う時、声をかけてくれますか?」という歌詞があります。主題歌が全てを物語っています。

 

ジョン・ヒューズのカメオ出演

ジョン・ヒューズ監督は、ブライアンの父親役でカメオ出演しています。行きは母親が送っているのですが、帰りは父親が迎えに来ています。最後の迎えにくるシーンで一瞬ですが、確認することができます。

 

ガッツポーズ

ジョンが最後にガッツポーズをしてこの映画は終わります。ジョンとクレア、アンドリューとアリソンはそれぞれ恋愛関係になります。学校では立場の違うそれぞれの関係は続けることができるのでしょうか。ブライアンが話しかけたら皆返事をしてくれるのでしょうか。少なくともあのガッツポーズは彼(彼女)らを成長させたことは事実です。自分とは違う立場の人の気持ちを理解することにより成長することができたと思います。

僕は仕事をやめたり何かを成し遂げた時はなぜかあのガッツポーズを思い浮かべます。あれほど達成感に溢れる映画のシーンは見たことありませんし、今後も見ることはないと思います。

 

様々な映画で引用されている

「ブレック・ファストクラブ」は様々な映画で引用されています。

2012年に公開された映画「ピッチ・パーフェクト」では、主人公が「ブレック・ファストクラブ」を見てチームワークを立て直そうとします。

2018年に公開された映画「バンブルビー」でも引用されています。

 

感想

友情、恋愛、反抗、そしてラッキースケベ、青春時代の全てが詰まっています。中学生や高校生に英語の授業の一環としてさりげなく見せたい映画です。

ちなみにラッキースケベは、机の下に隠れたジョンがクレアの下着を見るシーンです。

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