「ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!」大人になっちまったビルとテッド

久々に学生時代の同級生に会ったら当時より少し丸くなっていた、でも話すと当時が蘇る。そんな映画「ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!」(2020)について感想を書きたいと思います。「ビルとテッド」シリーズ第3作品目です。ちなみに、過去作を観ていないと楽しめないと思います。

 

大冒険

1989年に公開されたシリーズ第1作品目の「ビルとテッドの大冒険」(以下、大冒険)は、高校生のビル(アレックス・ウィンター)とテッド(キアヌ・リーブス)がワイルド・スタリオンズというバンドを結成しロックスターを目指すが、学力は絶望的で歴史のレポートを完成させないと落第すると告げられる。

そんな彼らの前に現れたのは、タイムマシン式電話ボックスを使って未来から来た謎の男・ルーファス(ジョージ・カーリン)。ビルとテッドは歴史のレポートを完成させるため電話ボックスで過去にタイムスリップし、歴史上の人物に会うことになる。ビルとテッドは落第を免れることはできるのか…

ビルとテッドは、誰がどう見てもバカと思えるくらいのバカです。でも、音楽が好きで心は真っ直ぐで誰がどう見ても良いやつだとわかります。嬉しいことや閃いたことがあった時に見せるエアギターは、二人の息がぴったりで見ているだけで楽しくなります。吹き替えだと決め台詞的な場面でシェケナベイベーを言うところは、無性にハマります。

レポートを完成させるためナポレオンやソクラテス、リンカーンなど歴史上の人物に会い現代へ連れて帰るところが面白いです。ウォータースライダーにハマるナポレオンやスポーツショップでバットを振り回すチンギス・カン、ナンパするソクラテスなど偉人たちが好き勝手やる場面が笑えます。

地獄旅行

シリーズ第2作品目の「ビルとテッドの地獄旅行」(1991)は、悪の未来人デ・ノモロスが平和の世界が訪れるのをよく思わないためビルとテッドを殺す殺人ロボットを現代に送り込みビルとテッドを殺害する。死んだビルとテッドは地獄で死神(ウィリアム・サドラー)に会い復活しようとするが…

死んだビルとテッドが生き返るために死神とゲームをするのですが、そのゲーム内容が、ボードゲームやツイスターゲームなどふざけているところが面白いです。

時空旅行

「地獄旅行」から何と29年ぶりの新作となる「時空旅行」。スタリオンズとして活動しているビルとテッドは、チャート成績が落ちたりするなどバンド活動が上手くいかず下降線をたどっていた。

そこへ、未来人の使者がやって来て77分25秒後に時空が歪み人類が滅亡すると告げられる。防ぐためにはビルとテッドの歌う音楽が必要だが、落ちぶれた二人には音楽を作ることができない。果たして、人類滅亡を防ぐことはできるのか…

娘が大活躍

本作では、ビルとテッドの娘が大活躍します。ビルとテッドは未来の自分たちから音楽を得るため未来に行きますが、未来のビルとテッドは今よりもさらに落ちぶれて堕落していて音楽どころではありませんでした。

そんな様子を見かねたビルの娘のビリー(ブリジット・ランディ=ペイン)とテッドの娘のティア(サマラ・ウィーヴィング)は、未来の使者からタイムマシーンを借りて過去に行きモーツァルトやルイ・アームストロング、ジミ・ヘンドリックスなど偉大なミュージシャンを連れて来ます。ここは「大冒険」のレポートを作成するために過去の偉人を連れてくる展開に似ています。

前作のあのキャラクターも

「地獄旅行」のラストで口パク疑惑が報じられソロアルバムも失敗したワイルド・スタリオンズの元メンバーで初代ベーシストである死神も登場します。個人的には死神のキャラクターが一番好きです。

死神を演じているウィリアム・サドラーは、「ダイ・ハード2」に登場する悪役・スチュアート大佐を演じた人です。白塗りなので誰だか分からなかったです笑。シリーズ全作に登場してくれているのは嬉しいことです。

ルーファス役のジョージ・カーリンは、2008年に死去してしまったので出演はしませんが、ビルとテッドが行く未来の世界でホログラムとして登場します。「大冒険」のサングラスをした懐かしい格好をしているので嬉しい場面でした。

「大冒険」で登場したサークルKや「地獄旅行」で死神とのゲームで使ったボードゲームが映るので前作を見ていた人はニヤニヤできます。

感想

感想としては、学生時代の同級生に久々に会ったら当時より丸くなっていたけど、話してみると当時と変わらなかったような映画です。ビルとテッドも大人になってしまったなと感じた部分もあり、小刻みに動くバカっぽい感じや息ぴったりのエアギターの頻度も少なかったです。吹き替えでおなじみのシェケナベイベーも聞きたかったです。

キアヌリーブスが長髪だからなのか、「ユーロビジョン歌合戦 〜ファイア・サーガ物語〜」(2020)のウィル・フェレルに見えてきました。長髪の二人が共演するコメディ映画も見てみたいです笑。

最後の音楽で戦う場面は、なぜか「20世紀少年 最終章 ぼくらの旗」(2010)でカレーライスの歌を歌っているケンジがよぎりました。

ゴリゴリのミュージカル風にしたらもっと盛り上がりそうな気がします。

子供の頃に誰もが持っている真っ直ぐな心を大人になっても忘れてはいけないことをビルとテッドから学びました。