【THE HEAD】基地に飾られた肖像画は一体誰!?

今回は、Huluオリジナルドラマ「THE HEAD」に出てくる肖像画について書きたいと思います。

 

基地に飾られている肖像画

第三話で基地に飾っている肖像画を映す場面があります。肖像画の前でカメラが止まったので、物語の鍵を握る重要なアイテムだと思いました。

越冬隊の創立者や元メンバーなのかと思いましたが歴史上の人物でした。

 

フリチョフ・ナンセン

肖像画の正体はノルウェーの探検家、政治家であるフリチョフ・ナンセン(1861年〜1930年)でした。南極や北極の調査隊にとって神様のような人物でした。

1888年から翌年にかけ、グリーンランドのクロスカントリースキーによる横断に成功し、1891年にイギリスの王立地理学会から金メダルを受賞しました。

1893年〜1896年のフラム遠征中に北緯86度14分と記録的な地点に到達し国際的な名声を得ました。この極地旅行の技術は北極や南極の調査隊に多大な影響を与えました。

1905年、ノルウェーがスウェーデンから独立するため、政府よりノルウェー代表に選ばれ政治家としても活躍しました。

第一次世界大戦後は国連難民高等弁務官に就任し、ソ連政府との交渉を行い、45万人以上の捕虜の交換帰国プロジェクトを成功させました。戦争難民のために「ナンセン・パスポート」と後に呼ばれた証明書を発行しました。ナンセン・パスポートは、国際連盟が発行する無国籍難民のための身分証明書です。

1922年、功績が認められノーベル平和賞を受賞しました。

1930年、心臓発作で亡くなりました。彼の肖像はノルウェーの紙幣に使われていました(現在は使われていない)。北極海のナンセン盆地など多くの地名が彼の名前に由来しています。

 

フラム遠征は難航していた

フラム遠征は難航していました。極点を目指していましたが、途中で残りの食糧が僅かになり断念しました。

1896年の夏までセイウチやホッキョクグマの肉を食べ耐え忍んだそうです。雪が解け南下している時にイギリスの探検家に助けてもらい帰国することができました。

 

伝記映画

1968年に「Just a life – the story of Fridtjof Nansen」という伝記映画が公開されています。

 

肖像画の意味は…

南極調査隊にとってフリチョフ・ナンセンは神様のような人物です。肖像画は威圧的に映っている感じがしたので、「神様の前で嘘はつけるのか、私が常に見ているぞ」という風に感じました。あの演出は、「嘘をついても全部見破られるぞ」と隊員たちにメッセージを送っているように見えました。

 

終わりに

僕はフリチョフ・ナンセンという人物を初めて知りました。日本語の資料も少なく調べるのが難しかったですが、多大な功績を残した人物を知れてよかったです。

探検家だけでなく政治家としても活躍していたことを知り驚きました。

いつかフリチョフ・ナンセンを題材にした映画が見てみたいです。