夏休みのある1日を描いた青春ドラマ「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」

今回はドラマ版「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」について書きたいと思います。2017年にはアニメ化されました。小学生の夏休みのある1日を描いた青春ドラマです。なずなの最後の台詞にジーンとくるはずです。

ネタバレなし

作品情報

  • 監督 岩井俊二
  • 脚本 岩井俊二
  • 出演者 山崎裕太、奥菜恵、反田孝幸、小橋賢児、ランディ・ヘブンス、麻木久仁子
  • 音楽 REMEDIOS
  • 上映時間 50分

 

登場人物

典道(山崎裕太)

なずなのことが好きだが想いを伝えることができない。

 

なずな(奥菜恵)

両親の離婚で転校することになる。

 

祐介(反田孝幸)

典道の同級生。

 

純一(小橋賢児)

典道の同級生。好きな人は晴子先生。

 

和弘(ランディ・ヘブンス)

典道の同級生。好きな人はセーラームーン。

 

三浦晴子先生(麻木久仁子)

典道たちの担任の先生。

 

稔(桜木研仁)

典道の同級生。好きな人は観月ありさ。

 

ネタバレあり

なずなの転校

夏休みの登校日。典道は友達と無邪気に走り回り学校へ向かう。同級生のなずなは、母親から「先生に渡して」と手紙を受け取る。学校に到着し祐介は典道に「なずなに告白したいから協力してくれ」とお願いする。授業では今日は花火大会ということで炎色反応の実験をしている。放課後、プールで遊んでいる典道、祐介のもとになずなが現れる。晴子先生は、なずなから受け取った手紙を読む。手紙には、離婚するため今月中には転校したいという内容だった。

友達と無邪気に走り回るのを見ているだけで「青春っていいな」と思うほどおじさんになったと実感しました。炎色反応の実験中に典道となずなの目があうシーンはキュンときます。なずなの転校は親に振り回されてかわいそうです。夏休み中に転校するほど寂しいものはありません。

 

勝負

典道と祐介はプールで50m走をする。祐介は典道が勝ったらなずなに告白すると賭け勝負をする。勝負は始まり、ターンをする時に典道はあやまってプールサイドに足をぶつけてしまう。勝負は祐介の勝ち。なずなは勝負に勝った祐介に、ホースで水を浴びせ花火大会に誘う。

負けたらスラムダンクの最新刊には笑いました。当時の時代が映し出されています。典道がなずなの体の上に乗っているアリを取る場面はエモいです。プールサイドに私服姿が尚いいです。ドキドキする展開を作るのが上手いです。

 

ゲームが映し出す時代

和弘と純一は、花火は横から見たら丸か平べったいかで言い争っている。和弘は灯台から見れば横から見れるので東大へ行こうと提案する。典道は家に帰り二階へ上がると祐介がゲームをやっている。

裏口が空いているから勝手に入るって、どんだけ田舎は無防備なんでしょうか(笑)。田舎に住んでいる友人も鍵をしないと言っていました。祐介がやっているゲームは「スーパーマリオワールド(1991年)」と「ストリートファイターII(1990年)」です。スラムダンク同様、時代を映しています。

 

なずなの想い

浴衣姿のなずなは、キャリーバックのような大きな荷物を引いている。プールで足を怪我した典道は、祐介に軽い手当をしてもらい祐介の父親がやっている病院へ向かうよう言われる。祐介は、なずなに告白しようしたのは冗談だと説明する。あんなブスにするわけないと。典道は病院で手当をしてもらい、待合室でなずなと会う。典道はなずなに、祐介は来ないと伝える。病院を出て外を歩く典道となずな。なずなはプールの勝負で勝った方を花火大会に誘うと決めていた。なずなは典道が勝つと思い勝つ方に賭けていた。

手当をする祐介はとても頼もしく見えました。さすが医者の息子です。なずなが祐介を花火大会に誘った理由が分かりました。みんな色々迷っています。

 

もし、あの時

先に歩いているなずなが角を曲がると、母親に追いかけられていて走って戻ってくる。なずなは典道にバッグを預け助けを求めるが何もできない。泣きじゃくるなずなは母親と共にどこかへ。そこへ、祐介たちがやって来る。典道は祐介に殴りかかる。あのプールの勝負で俺が勝っていればと後悔する。すると、プールで祐介と勝負をしていた場面に時は戻る。

このドラマはフジテレビのオムニバステレビドラマ「if もしも』」の一篇として作れてました。「もし、あの時」と誰もが思う後悔をした時に、あの時に戻れたらどうするかをドラマ化しています。それにしても、なずなの母親の顔が怖いです。

 

時は戻り

典道はプールの勝負に勝ち、なずなから花火大会に誘われる。突然、時が戻ったので困惑する典道。典道は家に帰り、後から雄介がやってくる。典道はトイレでなずなの約束を断る練習をしているが、なずなに会いに行き二人でバス停まで走り出す。なずなのバッグには衣服や日用品など、どこかに泊まれるくらいの道具が入っている。バスが来て二人はどこかへ向かう。なずなは家出をしていた(なずなは駆け落ちと言い張る)。

親の離婚に振り回され家出をしてきたなずな。小学生の駆け落ちというのが何ともいいですね。

 

今度会えるの二学期だね

停留所で座っているとなずながトイレに行きたいと言う。典道にも付いてきてもらい、トイレで浴衣から大人っぽい服装に着替える。どこか遠くへ行くわけでもなく、二人は帰りのバスに乗車する。典道となずなは学校のプールへ向かう。なずなと典道は洋服を着たままプールに入る。灯台を目指している祐介たちは、大声で好きな人を叫んでいる。灯台に着いた時には花火は既に終わっていた。なずなは「今度会えるの二学期だね。楽しみだね」と言い残しどこかへ行ってしまう。典道は祭りで晴子先生と先生の彼氏に会い、花火はどう見えるか質問する。先生の彼氏の知り合いの花火師に、余り玉を打ち上げてもらう。花火はどう見えるのか…。

最後になずなが言う「今度会えるの二学期だね。楽しみだね」の台詞はドラマ史に残る名言だと思っています。純一が晴子先生の結婚を知ったらショックを受けるだろうなー。

 

感想

今見るとヒヤヒヤする

生徒が先生の胸を揉んだり、灯台の上から立ち小便したりと今見るとヒヤヒヤする場面があります。小学生だからって許されるのかな(笑)。

 

祐介はなずなことが好きだったのか

祐介は本当になずなのことが好きだったのでしょうか。なずなに花火大会に誘われた祐介は、典道がなずなのことが好きなのを知っていて二人をくっつけようとしていました。典道に告白しようか相談したのも、早くしないと俺がしちゃうぞと背中を押してくれたのでしょう。

時は戻り、典道となずなが走って逃げると祐介は「くそー」と言い苛立っています。好きな人を言う場面では「なずなが好きだー」と叫んでいます。祐介にとってなずなは憧れの存在だったのでしょう。近づいたら離れる。恋愛感情とは別の感情に見えました。

 

ギャグも面白い

賭け事になるとやたらスラムダンクを賭けたり、その時代ならではの懐かしいジョークが面白いです。特に、おでんの屋台にいるえびすさんには笑いました。花火職人と偽って子供を騙しています。